ヤクルト高卒2年目の内山壮真捕手(19)が、開幕1軍をアピールした。オープン戦のソフトバンク戦に6番捕手でスタメン出場。1回に勝ち越し打を放つと、3回にも追加点を挙げる適時二塁打をマークした。星稜(石川)出身で売り出し中の若手は、高校の先輩・奥川とのバッテリーを夢見て、さらに成長を続ける。

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ヤクルトに連勝をもたらす決勝打は、19歳のバットだった。内山壮が同点の1回2死一、三塁、3球で追い込まれた。それでも「変化球を頭に入れながら、打球の方向というのをしっかり意識して打席に立ちました」と、ソフトバンク東浜の直球にシンカー、カットを交えた配球をファウルで粘る。8球目、スライダーを逆らわず、右前へ勝ち越し適時打を運んだ。

3回には1死一、二塁で再び追い込まれてから粘った7球目。シンカーを巻き込むように左翼線へ運び、2点適時二塁打を放った。打球を左右に散らし、2安打3打点。バットで大いにアピールした。一方、捕手としては42歳の大ベテラン石川と「23歳差バッテリー」を組んだ。立ち上がりこそ四球から先制点を奪われたが、2、3回は3者凡退に抑えた。時折マウンドに呼ばれて助言を受けるなど、プロ21年目左腕の知識と経験を借りながら、必死にサインを送った。

チームは正捕手の中村が下半身の張りを訴えている状況だ。古賀らも控える中で、開幕1軍が現実味を帯びる活躍を見せた。高津監督は開幕1軍には「いや、何とも言えない、今のところは」としながらも「打席もですけど、たくさんマスクをかぶらせたい。残り試合少ないけど、ゲームでいっぱい使いたいと思います」とオープン戦で“強化指定選手”として成長を促す考えを明かした。

1学年先輩の奥川と星稜バッテリーを夢見ている。昨季、公式戦デビューを果たしたが6打席無安打だった。「まずは初安打というところ。捕手でも打撃でも1試合でも1打席でも多く立って、試合に出て結果を残したい」。2週間を切った開幕まで、アピールを続ける。【栗田成芳】

◆内山壮真(うちやま・そうま)2002年(平14)6月30日、富山県生まれ。星稜では1年春からベンチ入りし、遊撃でレギュラー。甲子園には春夏通算3度出場し、2年夏は準V。2年秋から捕手。高校通算34本塁打。20年ドラフト3位でヤクルト入団。21年4月8日広島戦で初出場。同年フレッシュ球宴で先制弾を放ちMVP。今季推定年俸600万円。171センチ、71キロ。右投げ右打ち。