ソフトバンク藤本博史監督(58)が、日本ハム新庄剛志監督(50)との新監督対決を制した。0-1の8回にフレディ・ガルビス内野手(32=フィリーズ)が来日1号となる逆転満塁本塁打。メジャー109本塁打を誇る新助っ人の活躍で、藤本監督が記念のウイニングボールを手にした。チームは6年連続で開幕戦を制した。

【開幕戦】プロ野球開幕!新庄ビッグボス初陣飾れず…8回ソフトバンク・ガルビス逆転満塁弾/ライブ詳細>>

最後に大きな顔をしたのは「BIG FACE」藤本監督だった。BIGBOSSの独創的な野球に翻弄(ほんろう)されつつあったが、土壇場から逆転勝利。抑えの森からウイニングボールを受け取り「本当にうれしいですよ。感動しました。大事にします」と目尻を下げた。

勝利の立役者はガルビスだ。1点を追う8回1死満塁で西村の変化球を右翼ホームランテラス席に運んだ。「とにかく興奮しています。自分でも信じられないです。野球人生で最高の瞬間でした」。新外国人選手の開幕戦満塁弾は、球団では95年のミッチェル以来。メモリアルな来日1号が、大きな大きな逆転勝ちを呼んだ。

メジャー通算109本塁打の実績を引っ提げて加入も、オープン戦では5試合で打率2割ちょうど。15打席で7三振と、日本人投手へのアジャストにてこずり、藤本監督は開幕スタメンから外すことを決断。遊撃にはこれまでの主力、今宮を据えた。指揮官は「昨日話し合ってね。人はオープン戦は『餌まき』だと強気な言葉も言ってくれていたんでね。オープン戦とシーズンでは違う、スイッチを切り替えられるということなので」と1軍に残し状態を上げてもらう方針を取っていた。

序盤はBIGBOSSにのまれかけた。想像がつかないような継投の前に、毎回のようにチャンスをつくりながらホームが遠かった。藤本監督も「誰が出てくるんか分からないんでね。初回から、7、8回の接戦の試合をやっているような感じですよね。昨日から緊張感はあまりなかったんですけど、試合が始まって、イニングがいく度にどんどん緊張してきて…。このまま0点なのかな」と不安を覚える展開だった。

劇的な勝利で指揮官1勝を納め、リーグV奪回へ好スタートを切った。「今日は本当に、ガルビスのおかげで勝てました」。藤本監督は「BIG FACE」に満開のスマイルを浮かべた。【山本大地】

▽ソフトバンク森(9回を3人で締め初セーブ)「3人で終えることができて良かった。しっかり準備もできていたし、明日以降にもつながると思います。チームが勝つことができて良かった」

◆フレディ・ガルビス 1989年11月14日生まれ、ベネズエラ・プントフィホ出身。06年にフィリーズと契約し、12年にメジャーデビュー。14年のオープン戦で、ヤンキースに移籍した田中将大に渡米後初の本塁打を見舞う。メジャーでは主に遊撃や二塁を守った。パドレス、ブルージェイズなど5球団でプレー。MLB通算成績は1102試合出場、966安打、打率2割4分6厘、109本塁打、426打点。背番号3。今季推定年俸は約3億5000万円。178センチ、86キロ。右投げ両打ち。

▼ソフトバンク選手の開幕戦での満塁本塁打は、13年に本多が楽天戦で放って以来。外国人に限るとダイエー時代の95年に来日1年目のミッチェルが西武戦の初打席で記録して以来、27年ぶり。