西武ドラフト1位の隅田知一郎投手(22)が7回無失点の好投で、プロ初勝利を飾った。打たれた安打は、わずかに1本だけ。二塁すら踏ませない完璧な98球だった。3与四球、5奪三振。最速150キロの速球と変化球を自在に操った。12球団のルーキーで最速となる白星を勝ち取った。

隅田が奪った21アウト中12個がフライだった。結果球は11球が直球(1球がカーブ)、うち8球が高めへ投げ込んだもので「1球1球意識して腕を振れて、ちょっと変わったのかな」。打者の手元で伸び、フライの山を築いた。また3つ与えた四球はすべて左打者。この結果球は、いずれもフルカウントから内角への“フロントドア”のスライダー。打者はまったく反応できず、見逃し三振と紙一重のきわどいコースだった。

▼ルーキー隅田が初登板初先発で白星。西武で初登板初勝利は19年5月19日オリックス戦の松本航以来9人目(新人では8人目)。開幕カードでは、60年4月10日大毎戦の近藤以来62年ぶり。近藤は救援での白星で、西武の新人が開幕カードで初登板初先発勝利を挙げたのは球団史上初めてだ。ちなみに、現12球団の中では西武とヤクルトの2球団が開幕カードで初登板初先発勝利を挙げた新人が出ていなかった。