ふがいない…。矢野阪神が2年ぶり、主催試合では球団初の開幕3連敗を喫した。ヤクルトに2戦連続の零敗だ。4番の佐藤輝明内野手(23)は序盤2度の好機で打てず、打線全体で5回以降無安打。7点差を大逆転された開幕戦の5回から23イニング連続で無得点が続く。矢野燿大監督(53)は試練を乗り越え、真の4番に成長することを願った。

【ニッカン式スコア】27日の阪神-ヤクルト戦詳細スコア

期待が大きいからこそ、虎党のため息も一段と大きかった。佐藤輝の第2、第3打席はともに1点を追うチャンスで迎えた。3回2死一、三塁で高梨の内角高め直球に押し込まれ三邪飛。5回2死一、二塁では外角フォークで空振り三振。同点、逆転といかなかった。矢野監督は「早い段階での援護が理想的やったけど…」と漏らした。先発のルーキー桐敷が5回まで1失点で踏ん張っている間、援護できなかった。

佐藤輝は初回に高めに浮いたフォークを捉えて右翼線へ二塁打を放ったが、チャンスでは相手バッテリーから厳しい攻めを受ける。「厳しい攻めってね…。チャンスで回ってくる打順で、チームの中心を打っているわけだからそれは当たり前。そこをどうにかしていかないとダメなので。悔しさを持って、成長していったら」。指揮官は4番として味わう試練を乗り越えることを願った。

この3連戦のオーダーは捕手が梅野と坂本を併用しただけで、ほかは変更なし。開幕戦こそ15安打で8点を挙げたが、26日は2安打、この日は5回以降は沈黙の5安打で、連日の完封負け。現時点のベスト布陣で臨んでいるが、主催試合では球団初の開幕3連敗。ヤクルトに3連勝した1年前と対照的なスタートとなった。

ただ、苦しい場面でもあきらめない矢野野球はナインに根付いている。9回2死で高々と内野へ飛球を打ち上げた大山は、最後まで全力疾走。一塁手荒木が落球した時には二塁へ滑り込んでいた。「終わったことを軽く流すつもりはもちろんないし、良かったとは、もちろん全くく思っていない。終わったことは変えられない。今からをどうしていくか。全員でやるしかない」。残り140試合。今季限りで退任する矢野監督とともに前を向いて戦い続ける。【石橋隆雄】

▼阪神は開幕カード3連戦3連敗スタートとなった。20年に東京ドームでの巨人戦で喫して以来、2リーグ分立後2年ぶり6度目。過去5度はいずれも敵地で、主催試合では初の屈辱となった。

▼開幕カードでの2戦連続完封負けは、88年広島戦第1、2戦、13年ヤクルト戦第2、3戦に続き2リーグ分立後3度目。こちらも過去の2度はともにビジター球場で、阪神主催に限ると初だ。なお開幕カード3連戦中の連続23イニング無得点は、13年の19イニングを超えて最長となった。