京大が昨秋リーグ王者の関大を破り、2勝1敗として19年秋以来3年ぶりに勝ち点をつかんだ。開幕カードでの勝ち点は02年秋以来20年ぶりで、関大からの勝ち点獲得は82年秋以来40年ぶりとなった。

殊勲は異色の「二刀流」愛沢祐亮捕手（4年＝宇都宮）。リーグ戦初登板で先発し、右アンダースローで4回を2安打無失点、4奪三振にまとめた。5回からはマスクをかぶって、救援した2投手をリード。打っては4打数3安打1打点の活躍だった。

　　　◇　　　◇　　　◇

愛沢は今春の練習試合で数試合に先発したが、SNSなどでは名前を伏せて情報発信されていた。宇都宮2年から3年は投手、京大で2年春は中堅、3年から捕手を守る。

「隠し玉というか…。登板は『来たか』と。寝耳に水ではなかったので、準備はしていました。大学で心残りがなくもなかったので、ようやく時が来た。うれしかった」

満を持しての登板。右下手から真っすぐとカーブを操り、関大打線を翻弄（ほんろう）し、「高めへ浮くような真っすぐと沈む真っすぐで、フライやゴロで打ち取るように投げています」と胸を張った。

今季から指揮を執る元ソフトバンクの近田怜王監督（31）は歴史的な勝ち点に、「選手がしっかり準備して、しんどいところで声を出して鼓舞し続けた。スタッフを含めて全員一丸となったところの成果」と手放しで喜んだ。

愛沢先発というスペシャル起用については「（学生コーチの）三原の判断。投手の数が少なくなる3戦目にしっかりプランを立ててくれた。彼の意見を尊重した」と明かした。

その投球内容には「アンダースローで2巡目には捉えられると思い、1巡と考えていたが。愛沢はチームで一番野球のできる選手。ナイスピッチングでした。粘られるよ、粘って打ち取るしかないよと話していた。四球をあまり出さず、ゾーンで勝負してくれました」と褒めちぎった。