昨春の選抜高校野球大会(甲子園)に明徳義塾の一員として出場した札幌市出身の玉田大貴(18)が今春、札幌6大学リーグ2部の札幌国際大に進学した。3日には、雪が残るグラウンドで練習に初参加。フリー打撃では快音も響かせた。「生まれた地で新しく始まるので頑張っていこうという気持ち」と目を輝かせた。

中学卒業後、親元を離れる決意をした。「高いレベルで野球がやりたい」。名将馬淵史郎監督(66)率いる高知の名門に進学した。寮生活を送り、休日は年末年始の5日間ほどという野球漬けの日々で、喜びと悔しさを味わった。高校2年秋の高知大会で初めてベンチ入り。3年春のセンバツでは三塁コーチャーとして聖地の土を踏んだ。「今まで味わったことのない雰囲気だった。ワンプレーで勝負が決まる舞台。なかなかできない経験ができた」。夏は甲子園8強まで進んだが、自身はベンチを外れボールボーイを務めた。「親に遠いところに送り出してもらって、最後頑張りきれなかった。結果を残せなかったというのは悔しかった」と唇をかむ。

悔しさを糧に大学で野球を続けることを決めた。馬淵監督と山本文博監督(66)は同じ愛媛出身で同学年。高校時代しのぎを削っていた仲で今でも親交がある。「山本監督のもとでやったらいい」(馬淵監督)と背中を押されたことが大きかった。

高校時代「オリジナルな言葉を入れたかった」と「道民魂」と刺しゅうした愛用グラブで新天地に挑む。色紙には迷うことなく「人間的成長」と決意をしたためた。「そのままです。人間として成長していかないと。1年生から1部昇格に貢献できるように」。玉田の新章が幕を開けた。【山崎純一】

◆玉田大貴(たまだ・だいき)2003年(平15)5月18日、札幌市生まれ。札幌新川中央小1年の時に新川ウィーディスで野球を始める。札幌新川中2年まで札幌新川ボーイズ、3年時は北海ベアーズでプレー。明徳義塾では2年秋の高知大会からベンチ入り。3年春の選抜は背番号「15」をつけ三塁コーチャーを務めた。ポジションは左翼手と右翼手。右投げ右打ち。50メートル走6秒3。遠投90メートル。家族は両親と姉。趣味は筋トレ。好きな食べ物は母手作りのハンバーグ。165センチ、61キロ。

◆札幌国際大男子硬式野球部 99年に創部し、現在は札幌6大学リーグ2部に所属。17年秋、18年春に2季連続優勝も入れ替え戦で敗れ、1部昇格を逃している。昨年は春秋ともに2位だった。女子硬式野球部もあり、20年4月創部。