ソフトバンク打線が長いトンネルを抜けた。藤本博史監督(58)が2番に起用したドラフト4位ルーキー野村勇内野手(25)が、初回1死で三塁打。これが突破口になり、中村晃の適時打で8日西武戦の9回以来、31イニングぶりの得点を挙げた。久々の得点が決勝点。チームは連敗を2で止めしっかり首位を守った。

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藤本監督は開口一番「ホッとしました」と胸をなで下ろした。初回にチーム4試合、31イニングぶりの得点が生まれ、これが決勝点になった。「やっぱり新聞に30イニング(無得点)とか書いとったら気になりますよね。今日は全員で1点を取りにいってくれた」。一丸で得点を挙げた選手たちをたたえた。

ルーキーが突破口を開いた。野村勇は初回1死で二木の初球をとらえ、左中間フェンス直撃の三塁打。「思い切って振っていきました。ルーキーなので、怖いもの知らずで行って。それが得点につながったので良かったと思います」。続く中村晃の右前打で生還し、チームが30イニング踏めなかったホームを踏んだ。

栗原、柳田が故障離脱してから、打線は日替わりでの模索状態が続く。この日はチームが最後に得点していた8日西武戦以来の「2番」で野村勇を起用。藤本監督は「真砂と野村勇のどっちを2番にしようかなと迷ってて、野村勇の方が足が使えるなということで2番にしました。当たりましたね」とにっこり。前戦の12日ロッテ戦で2安打していた真砂と迷いながら、勘もさえて采配が的中した。

8回には先頭野村勇の四球から1死一、三塁と好機を広げ、牧原の遊ゴロ(記録は野選)で追加点も奪った。指揮官は「ああいう1点の取り方ですよね。ああいう泥臭い1点がうちのチームには大事じゃないかな」とうなずいた。連敗ストップで堅首。収穫の大きい1勝だ。【山本大地】