阪神佐藤輝明内野手(23)が、2番継続で打線に火をつける。巨人相手に今季初のカード勝ち越しを決め、19日からはDeNA&ヤクルトと関東遠征6連戦。敵地横浜は昨季初戦で特大の場外弾を放つなど相性のいい球場だ。井上ヘッドコーチは「打線に火をつけるチャッカマンが現れてほしい」と期待し、規格外アーチの再現なら最高の景気づけ。12球団最低47得点の打線に点火し、今季ビジター初勝利から反攻に出たい。

【関連記事】阪神ニュース一覧

息を吹き返しつつある虎が、さらに波に乗るために-。佐藤輝の大暴れは欠かせない。巨人との3連戦初戦で、菅野から値千金の逆転4号2ラン。2勝1敗で初のカード勝ち越しを導く口火を切った。「巨人戦で良い流れを作れたと思うので、そこはチームの雰囲気を変えずにやっていきたいと思います」。19日からはDeNA、ヤクルトとの関東遠征6連戦。本拠地の心強い応援とはしばらくお別れだが、佐藤輝にとっては楽しみな場所でもある。

敵地横浜では昨季打率2割7分6厘、2本塁打。セ球団の本拠地球場別では東京ドームに次いで2位の打率をマークした。衝撃を残したのは、昨年4月のシーズン初対戦で国吉から描いた場外への3号アーチ。右翼席最上段の「鳩サブレー」の看板を越え、矢野監督も「鳩サブレー越えたん見たことない」と目を丸くさせた。ファンの度肝を抜き、球界にその名をしらしめた特大弾から1年。「いいイメージはある。そういうイメージを持っていきたい」。相性のいいハマスタでしかも今季の初戦とあって、再現の期待も高まる。

14日の中日戦から4試合連続で2番起用。その間、打率2割1分4厘と数字は高くないが、井上ヘッドコーチは「2番はあながち、悪くないっていうのが俺らの中での評価。もうちょっと続けてみたい」と継続の方針を明かした。初回に必ず打順が回る超攻撃型2番の存在に、相手投手のプレッシャーも少なくないはずだ。

開幕から20試合、47得点は12球団最低。井上ヘッドは「ピッチャーがこんなに頑張ってるのに、野手が点取れよっていう話でしょ。(打線に)火がついた時にはよっしゃーってなる。そのチャッカマンが早く現れてほしい」と主軸の奮起を願う。“恐怖の2番”佐藤輝がその役割を果たせば、一気にチームも活気づく。

DeNA先発先陣は、佐藤輝が今季1号を放ち、チーム初勝利をもたらせた右腕ロメロ。「いいピッチャーなんでみんなでつないで点が取れたら」と背番号8も気合を入れ直した。逆襲の関東遠征6番勝負。2番佐藤輝が虎打線のチャッカマンになる。【中野椋】

◆佐藤輝の横浜場外弾(21年4月9日、DeNA1回戦)3点リードの6回先頭で、2番手国吉の3球目カットボールを強振。右中間場外にはじき飛ばす推定140メートルの超特大3号ソロを放った。この回一挙6点の口火となった一撃に、佐藤輝は「しっかり当たれば、あそこまで飛ぶなと分かりました」と笑顔。矢野監督は「鳩サブレー(の看板を)超えたん、見たことない」と目を丸くし、同年初勝利贈られた藤浪も「ベンチで全員、ドン引きでした」と仰天だった。阪神はここから8連勝と勢いに乗り、首位街道を快走した。

◆チャッカマン バーベキューや鍋料理などに使う柄の長いライターで、正式名称は点火棒。80年代に大手ライターメーカーの株式会社東海(本社・東京)が開発した。「着火」と「マン(人)」を組み合わせた造語。当時はガッチャマンなど○○マンがはやっていたことに由来する。