<DeNA7-5阪神>◇21日◇横浜

DeNA池谷蒼大投手(22)がプロ初勝利を飾った。

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2年目は腕を少し下げたフォームに変更した左腕。見事にプロの第1歩を記した。

器用な投手だ。静岡・積志中時代は投手として注目されていたが、左利きにもかかわらず、二塁や遊撃もこなしていた。静岡高時代の監督、栗林俊輔氏は入試の実技試験でキャッチボールやフィールディングを見て、柔らかい身のこなしに「天性のもの」を感じたという。池谷は高校時代、菊池雄星(当時西武=現ブルージェイズ)を参考に本格派として活躍したが、プロでは変則フォームを武器に1軍枠を勝ち取った。

投球時に「よいしょ!」と声を出して投げる通り、熱い気持ちを持っている。高校3年の夏は、静岡大会の準決勝で打ち込まれ、敗れた。実は初回の打席で左手を負傷していたが「何度聞いても『大丈夫です』としか言わなかった」と栗林氏。後から捻挫が判明したという。

プロ初勝利は大雨の中での登板だった。打線に熱気が伝わる3者凡退。逆転勝ちを呼び込む快投だった。【前DeNA担当=斎藤直樹】