亜大が3季ぶり27回目の優勝を決めた。

第1試合で勝ち点4を挙げた亜大は、優勝の瞬間をスタンドで見届けた。第2試合で2位の青学大が国学院大に敗れ勝ち点を落とすと、選手たちはそっと喜びをかみしめた。

チームはどん底からのスタートだった。2月上旬、コロナのクラスターが発生し、寮を閉鎖。約2週間、練習ができなかった。春季キャンプも中止に。2月下旬から練習再開も、体力づくりから。オープン戦は負け続け、春季リーグ戦開幕時のチーム目標は「入れ替え戦までに成長する」。リーグ戦の2戦目は1年生投手が先発するなど、新戦力を起用しながらチーム力を上げてきた。

その中で奮起したのが4年生だった。昨秋、潰瘍性大腸炎の手術から復帰した田中幹也内野手(4年=東海大菅生)を中心にチームがひとつになった。「幹也が頑張っているんだから、僕たちはもっと頑張れる」。病気からの復帰のために必死に練習に励む田中幹の姿に、チームが一変。力がないチームを知る選手たちは「僕たちは力がないので、ミスをします。でも、みんなでそれをカバーする」。ある者はバントで、ある者は声で、全力疾走で。亜大野球を貫き、優勝を手にした。

生田勉監督(55)は「いい選手がいなくとも、チームがまとまったら何とかなる。これが成長。学生野球のいいところですね」と話した。

亜大は全日本大学選手権(6月6日開幕、神宮ほか)に出場する。

▽巨人平内 後輩たちの活躍がとてもうれしいです。次の全日本選手権で日本一を目指して頑張ってください。

▽巨人北村 母校の活躍が刺激になっています。次の全日本大学野球選手権でチーム一丸となって優勝目指して頑張ってください。

▽日大・片岡昭吾監督(亜大に連敗し勝ち点1のまま最終週へ)「勝って混戦に持ち込みたかったが、先制点をとられ、止められなかった。亜大はしっかり振ってくる。ウチは当てるような打撃になってしまった」