<西武5-1日本ハム>◇8日◇ベルーナドーム

日本ハム石川直也投手(25)が954日ぶりに1軍マウンドに帰ってきた。西武8回戦(ベルーナドーム)の7回に登板。1回1安打無失点、3奪三振で最速149キロを計測した。20年8月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、1軍登板は19年9月27日オリックス戦以来。好スタートを切り、今度は守護神返り咲きへと突き進む。

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妻と愛娘、そして愛犬は、石川直の復活に欠かせなかった。トイプードルのオスのウィリアムくんは、人間だとアラフォーの“先輩”であり、愛くるしさゆえに頭が上がらない。術後は自宅で過ごすことがほとんどで、決まって留守番していたコンビだった。

仕事のため、妻が朝から外出していたときは、朝食用に握ってくれたおにぎりを食べながら、ウィリアムくんと帰りを待つのが日常だった。寝るときも一緒で、枕元がウィリアムくんの定位置。「一緒にいるだけで癒やされます」と、かけがえのない存在だった。

長期にわたるリハビリ。時にはトレーナーに、やるせない思いをぶつけてしまうこともあった。すさんだ気持ちを和らげてくれたのが、相棒ならぬ“相犬”だった。「癒やしって大事ですね。だいぶ大きかったです」。2人と1匹の家族に支えられ、悲願の舞台にたどりついた。【日本ハム担当 田中彩友美】