空砲に終わったが、将来の4番候補が意地を見せた。日本ハム野村佑希内野手(21)が10日、オリックス7回戦(札幌ドーム)で3点を追う4回1死一塁、左越え3号2ランを放った。チームは新型コロナウイルスの影響で主力を欠く相手に接戦を落としたが、期待の若手が光を放った。

うなだれるほどの悔しさを、無駄にはしなかった。3点を追う4回1死一塁。野村がリベンジの打席に向かった。カウント1ボールからの2球目、カットボール138キロを左翼席中段に突き刺した。4月28日オリックス戦以来の3号2ラン。淡々とダイヤモンドを1周した後、出迎えてくれたチームメートの前で破顔した。

喜びはひとしおだった。「あまりいろいろ、考え過ぎないようにしようと思って打席に立ちました」。2点を追う1回2死三塁。先制点を奪われた直後にやってきた反撃のチャンスで、見逃し三振に倒れた。4番の仕事を果たせず、ショックを隠しきれないままベンチに戻った。いつもは引きずることが多いが、切り替えて結果を残した。

前後の打者の存在を、意気に感じていた。3番清宮、4番野村、5番万波。「こういう打順で勝てれば、すごいうれしいなと試合に臨みました」。2軍ではなじみの打順で、誰かが打てば他の2人がつられて打つことが多かった。この日は「次はキヨさん(清宮)が打ってくれる」と予告も外れてしまったが、夢を抱きたくなるクリーンアップ。野村自身、ロマンあふれる中軸へと成長していく。【田中彩友美】

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