神奈川大が桐蔭横浜大に先勝し、秋春連覇に王手をかけた。

ドラフト候補に挙がる最速152キロ右腕・神野竜速投手(4年=西武台千葉)が、初回から全力投球だ。「うちのチームは抑え投手がいい。今日は全力で投げることをテーマにしました」。キレのあるスライダーと力のある直球を軸に、6回2安打1失点。この試合の最速は149キロだった。

エースとして1球1球に思いを込めた。「今季は、ずっと自分が足を引っ張ってきた。桐蔭横浜戦は優勝がかかっているので、少しでもチームに貢献したかった」。これまで4試合に登板し、2勝。リリーフ陣の奮闘もありチームは勝利しているが、自身は苦しい投球が続いていた。

前週の横浜国立大戦後から下半身を鍛え直し、調整。インステップ気味のフォームも修正した。とっておきは今冬から練習してきた新球、スプリットチェンジだ。「この桐蔭横浜戦で使うために、ずっと隠してきました」。フォークボールのように人さし指と中指の間にボールを挟み、チェンジアップ気味に打者の手元で沈む。1-0で迎えた3回、2死から空振り三振を奪い、手応えをつかんだ。

15日に桐蔭横浜大に勝利して勝ち点を挙げると、優勝が決まる。「明日で決めて、神宮でまた投げたいです」。昨秋の神宮大会は準決勝で慶大にサヨナラ負けし、涙で終わった。「リベンジしたいです」と神宮のマウンドへの思いを込めた。【保坂淑子】