<ヤクルト1-8阪神>◇18日◇神宮

阪神3年目右腕の西純矢投手(20)が、二刀流の大活躍で最短19日にも自力Vが消滅した危機を救った。打っては8番起用の期待に応え、高橋の150キロを完璧にとらえた中押しのプロ1号2ラン。投げては1失点のプロ初完投で2勝目と、エンゼルス大谷もびっくりの大車輪だ。

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阪神西純は「打撃センス」の塊だった。「高校四天王」と称されたロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川、阪神及川が2年目の昨季ブレーク。同年代に先を越された形となった右腕に、創志学園(岡山)の長沢宏行監督(69)は「『バットだけは振っとけよ。外野手狙えるぞ』と冗談で言ったことがある」と明かした。

それだけの力を秘めている。長沢監督は「もともと打撃センスがあるし、好きなんだと思う。倉敷マスカットスタジアムのバックスクリーンにも入れたことがあるしね」。プロ入り後も鳴尾浜の寮の関係者からは、自主練でバットを振り込む西純の姿を見たと連絡があったという。

プロでの好打については「球種を読んで振ることができだしているんじゃないかな。まぐれの打ち方ではない」と分析。「ピッチングも相乗効果で良くなってくるかもわからない。良い投手は良いバッティングができる。楽しみですね」。プロ初完投勝利については「本当すごいです。頑張った頑張った。親孝行してくれますわ」と心から喜んだ。【阪神担当 古財稜明】