バックネット裏に背を向けて、どすこいパフォーマンスをとどろかせた。

西武山川穂高内野手(30)は1点を追う2回先頭の打席、カウント2-2から低めに沈むスプリットを捉えた。左中間へ届く130メートル弾は今季15号の同点ソロ。交流戦で対戦の少ない投手が相手でも「変わらないですね、分からないからこそです。それ以上の準備はできない」。初見の中日高橋宏を攻略しチームを3連勝と勝率5割復帰に導いた。

その背番号3をかつて背負った男が、バックネット裏の放送席から見守った。清原和博氏がテレビ解説で来場。19年オフに33番から3番に変更した山川は「33番は与えられた数字ですけど、3番は僕がホームラン王を取って、活躍して、欲しいですと言って、もらった数字。3番の名に恥じない成績は残したい」と3番と同時に重責も担う。この1発で両リーグ単独トップの15号。頼もしい背中を見せつけた。

試合前、少しだけマインドを変えた。「アウトになるならフライアウトになりたいなと。意識だけ変えた」と、練習から打球角度を強く意識し大飛球へと結び付けた。バンテリンドームでは19年にも3戦2発。通算5戦3発と好相性だ。チーム今季初の同一カード3連勝にも期待が膨らむが「たまたまっす。狙い通りにいかないので、全部反応なので。反応するための前の準備の方が大事」と、打ってもおごらず気を引き締めた。【栗田成芳】

▽西武辻監督(中日高橋宏から山川が15号同点弾)「本当にいい投手なので、点がなかなか取れないだろうなと。その中で山川の本塁打は大きかった。見事な本塁打だった」

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