阪神中野拓夢内野手(25)が今季5度目の猛打賞と2盗塁で懸命にチャンスメークした。

初回はロメロの変化球を左前に流し打ち、近本との連打で中軸へつないだ。5回も2死から再び近本との連打。先頭の8回はゲレーロに対しフルカウントからファウルで粘り、9球目の156キロを中前に運び佐藤輝の2ランをお膳立てした。「1年目よりは2年目の方がいろいろ状況を考えながらバッティングができている。視野が広くなって非常に落ち着きながら後ろにつなぐことはできている」。打席での冷静さが光った。

併殺崩れで一塁に残った3回を含めた4度の一塁走者で、3度の二盗を仕掛けた。初回はけん制をかいくぐって決め、3回は今季2度目の失敗。「走れる場面が来たらどんどん走ろうというのは考えている。アウトになったからこそ、次は思い切って開き直ったというか」。ミスに動じず、再び8回に決めた。リーグ最多の15企図で13盗塁とし、ヤクルト塩見に3差をつけてトップをキープ。盗塁王に輝いた昨季に続き、強みを生かしている。「自分の持ち味の塁に出て、相手をかき回すことができたので、仕事的には良かったのかなと」。敗れはしたが、つなぎの2番は愚直にミッションを遂行していく。【三宅ひとみ】

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