4番の快音で競り勝った。楽天島内宏明外野手(32)が1日、中日2回戦(バンテリンドーム)で先制打を含む2打席連続の中前適時打をマーク。5月14日の西武戦以来、自身15試合ぶりの適時打に「お久しぶりです」と再会(?)を喜んだ。相手打線の中軸には明大時代の同級生、阿部寿樹内野手(32)が座っており、旧友を刺激にしながら今後の浮上を誓った。

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待望の一打は第1打席で飛び出した。1回1死一、三塁、初対戦だった中日上田の直球を中前へ。先制に成功すると、3回も同じ場面で中前打を放った。「交流戦は知らない投手が投げてくる。いつもよりも積極的に打ちにいく姿勢ではいますね」。1本目はファーストストライクを、2本目は2球目を捉えた。

開幕戦から不動の4番に座る。だが14試合もの間、安打による打点はなかった。5月上旬まで11連勝したチームも負けが込むように。「チャンスでなかなか打てない。投手に申し訳ない。でも考えすぎても次の試合がある。何とか次の試合で勝ちを付けてあげられるようにと、今は考えてます」。1本どころか2本出た。心は軽くなった。

名物(?)のタイムリーコメントも復活した。試合中に配信された談話は「同期の阿部寿樹が頑張っているので刺激を受けています。今年は彼には勝てないので、来年勝てるように頑張ります(真顔で)」。阿部は明大の同級生。打率、本塁打、打点とも島内を上回っている。

うそかまことか、夢かうつつか判断しかねる味わい深いコメントは試合後取材でも続いた。「僕本当に、試合とかも練習も出てなかったんで、寿樹はしっかり出てて、僕の中ではスター的な感じでしたけどね」。実際には島内も当時からばりばり活躍。4年秋の明治神宮大会では一緒に大学日本一に上り詰めた。

前夜、目の前で阿部が決勝ソロを放ち、楽天は敗れた。「大学の時は僕の方が飛ばしてたんですけど、今じゃ全然ね、あっちの方が飛ばしてる。体、鍛えないといけない」。切磋琢磨(せっさたくま)する存在。そう思うのは本心だ。

交流戦の目標は、1度も本塁打したことがない甲子園で1発打つことだった。が、終わってしまった。「これをきっかけに、いい形で今後打っていけたら。また目標を見つけます」。一夜で終わらせない。もっと上にいく。【鎌田良美】

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