都市対抗野球東北2次予選が12チームが参加して開幕。七十七銀行(宮城・仙台市)が、エフコムベースボールクラブ(福島・伊達市)に10-0の7回コールドで初戦を突破した。先発の小林快投手(24=仙台大)と根本郁也内野手(24=立正大)の同期コンビが投打で躍動した。優勝チームと第2代表決定戦を勝ち抜いた2チームが全国大会(7月18日開幕、東京ドーム)に出場する。

小林の“快”投が勝利を引き寄せた。初回を3者凡退に打ち取り、流れを作ると、その裏に打者陣が5安打5得点の猛攻。援護を受けた小林は5回を打者15人、1安打7奪三振無失点に抑えた。小林は「今年の初めからずっと調子が良いです。これまでの直球重視を見つめ直して、変化球の精度を重視するようになったことで、アウトがすごく取れるようになりました」。持っている変化球をすべてストライクゾーンに投げられるように磨きをかけてきた制球力が実を結んでいる。「これが野球なんだなと感じています」。社会人3年目の今年、自身を見つめ直して得た気づきがあった。全国の舞台で戦うため、変化球の精度にさらに磨きをかける。

3回1死一、三塁、根本が放った右越え3点本塁打でチームはさらに勢いづいた。根本は「小林に勝ちをつけたい、楽に投げさせてあげたいという気持ちがあった。次の点が大事な場面で1本打てて良かったです」と振り返った。同期を支える1本は、社会人公式戦初本塁打。根本は「うれしかったです」と一言。喜びをかみしめた。

5回表が終わったところで雨脚が強まり一時中断。試合は2時間ほど中断したが、七十七銀行の勢いは途切れなかった。5、6回と得点を重ね、終わってみれば10-0の快勝。しかし、根本は「ここからが本番。明日からもっときつい展開になると思います」と気を引き締めた。気を抜かず一戦必勝で、19年以来の全国大会出場をつかみ取る。【濱本神威】