日刊スポーツが毎週火曜日にお届けする特別企画の第3週は「今岡スペシャル」です。阪神V戦士でロッテとの2球団でコーチも務めた今岡真訪氏(47)が独自の視点で球界の話題を語る第3弾。今回は全日本大学野球選手権の「観戦記」です。6月8日、大会屈指の好カードの亜大(東都)対近大(関西学生)を東京ドームでチェックしました。

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大学野球を見ながら、今岡氏がふと漏らした。「当時、僕は東京の大学に行きたかった。少なくとも僕の時代はそういう感覚があった」。PL学園(大阪)から東洋大に進学。日本代表として96年アトランタ五輪で銀メダル獲得に貢献した。

「いまの関西の高校生はどうなんだろう。やっぱり東京の大学に行きたがるのかな。東京や関東の高校の子が、関西の大学に入学するケースもあるのか」。手元にある亜大-近大のオーダーに目を落とした。先発野手9人中、愛知県以西の高校出身者は亜大5人、近大9人。関東の大学は全国から選手が集まるが、西日本勢が目立つ。一方、今大会に出場の関西5校のメンバーを見ても、東日本勢はちらほらいるくらいだ。

高校野球は昨夏の甲子園4強を近畿地区が独占して「西高東低」の力関係が話題になった。大学野球でもこの構図は顕著なのだろうか。たわいもない出身校トークを掘り下げていけば、野球のいろんな一面が見えそうだ。【アマチュア野球担当=酒井俊作】