阪神が日米96勝左腕のチェン・ウェイン投手(36)にウエーバー公示の手続きを行う旨を通達したことが21日、分かった。22日付で公示される予定。

中日、メジャーを経て、20年に9年ぶりに日本復帰したロッテで勝てず、21年から所属した阪神では昨年4月の古巣中日戦で挙げた1勝止まり。同じ先発タイプでローテを守るガンケルとウィルカーソンの存在も大きく、今季は1軍登板を果たせなかった。先発調整していた2軍では2勝1敗、防御率3・03だった。

この日午前、本人に通達した嶌村聡球団本部長(54)は試合前に取材に応じ「左のローテーション投手として非常に期待していた。昨年、左肩を痛めたけど、リハビリに熱心に取り組んでくれた。復活を待っていたが、現状のチーム構成を考えた場合、なかなか1軍ローテは難しいということで判断させてもらった」と説明した。

かつての剛腕ぶりは見せられなかったチェンだが、若手の相談に乗ったり、豊富な経験を生かした助言を送ったりと、選手や球団からの信望は厚かった。同本部長には「2年間、本当にありがとうございました」と伝えたという。ウエーバー公示後1週間で、他球団から獲得の申し込みがなければ、自由契約となる。一時代を築いた左腕が静かにタテジマを脱ぐ。

阪神は20日、右の大砲候補でマイナー通算215発、元オリックスのアデルリン・ロドリゲス内野手(30=パドレス3A)の獲得を発表。育成だった島本浩也投手(29)の支配下登録も発表され、支配下上限いっぱいの70人に達していた。

◆チェン・ウェイン 陳偉殷。1985年7月21日生まれ、台湾・高雄出身。国立台湾体育学院在学中の04年に中日入団。先発として10年、11年のリーグ連覇に貢献。09年に最優秀防御率賞。12年にオリオールズ移籍。14年に16勝するなどメジャー通算8年で59勝51敗。20年はロッテ、21年から阪神。大リーグ時代の年俸は最高24億円を超え、阪神でも昨季、今季の推定年俸は2億1000万円。日本通算37勝33敗。183センチ、86キロ。左投げ右打ち。

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