巨人にとって鬼門の8回の男に、20年ドラ1位右腕が名乗りを上げた。平内龍太投手(23)が1点を勝ち越した8回に登板。「いつも通り」と平静を貫いた。亜大時代に東都大学リーグでしのぎを削った4番牧から始まるDeNA打線を3人斬り。最後はソトを外角低め154キロ直球で見逃し三振。「良いところに行ってくれた」と会心の1球で、21年ドラ1守護神・大勢につないだ。

1年目の昨季は、登板した全3試合で失点を喫した。「『やってやるぞ』という気持ちが強すぎた。今年はとにかく『無』で投げてます」。左足を上げるところまでは冷静に。リリースの瞬間に全てのパワーを解放する。1軍に定着しつつある今でも、マウンドに上がるたびに言い聞かせる。「今日ダメだったらファームかもしれない。毎日が勝負だぞ」。悔しさの残る昨季の経験を教訓に、たくましさを身につけている。

首位ヤクルトを追うにはリリーフ陣の安定が鍵になる。救援陣の防御率はリーグ5位の3・83。前日の同戦でビエイラが決勝打を浴びた8回に存在感を示した平内だが「(8回の)ポジションをもらえればうれしいけど、今は与えられた仕事をするのが一番」と慢心はない。“新境地”に足を踏み入れつつある最速156キロの剛腕が、ブルペン陣の救世主になる。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(平内について)「彼はまだまだ若いしね、大勢と2人でしのぎを削り合いながら、いいライバル関係でやってくれればいいなと思います」

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