悲劇の幕切れだ。代役守護神のラウル・アルカンタラ投手がサヨナラ弾を浴びた。4-4の延長11回、2死走者なしから2番宇草に初球152キロを右中間席に運ばれた。岩崎不在の間に抑えを任された右腕が今季24試合目で初被弾を含む2発を食らった。矢野監督も「まあね、後から振り返ればいろいろあるけど、それはしゃあない」と責めなかったが、さすがに複雑な表情だ。

この日は中継ぎ6投手をつぎ込んだ。「自分たちのピッチングをしてくれたなと思う」。指揮官がたたえるようにブルペン陣の奮闘もあって、延長に持ち込んだ。だが、10回に登板した7番手アルカンタラが誤算だった。坂倉に同点ソロ、続投した11回にサヨナラ弾を浴びた。8試合連続無失点中だった安定感はなかった。

いよいよ23日から守護神岩崎が1軍昇格する。矢野監督は試合後に「上げる」と1軍復帰を明言。4月上旬から抑えを任され、交流戦では両リーグトップタイの7セーブを記録。疲労蓄積を考慮され、リフレッシュのため13日に出場選手登録を抹消されていた。

ショッキングな敗戦ではあったが、守護神の帰還でブルペンが落ち着くことは間違いない。指揮官は「元気に帰ってきてくれると思うし、スグルにはずっと頼ってるけど、そういうポジションにいるピッチャーなのでまた頑張ってくれたら」と期待した。【桝井聡】

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