パ・リーグの綱取りへ。楽天は数多くの名力士を生んだ青森で、首位ソフトバンクに敗れた。

弘前市内のはるか夢球場での3年ぶりの主催試合。同市は初代若乃花の出身地で、球場がある弘前運動公園には土俵の鬼と言われた横綱の銅像がある。先発は投手陣の“大将”則本昂大投手(31)。「青森県のみなさんになんとか勝ちを届けられるようにしたいなと思いますし、とにかく一生懸命やってる姿を見せられたら」と、意気込んで臨んだ一番だった。

同球場での登板は初めてだったが「試合中にうまく対応するだけ。まずは初回のマウンドに立った時の投球練習5球でうまくアジャストできるようにして。そこでできなければ、早いイニングの間にそのマウンドに慣れていくという作業を心がけてやってます」。言葉通り、立ち合いは冷静に封じた。上手投げから繰り出す直球は、初回から150キロを計測。1、2回ともに先頭の出塁は許したが、後続を抑えて無失点にしのいだ。

だが、3回に一転。一気に寄り切られた。2死満塁から柳田に外角の148キロ直球を捉えられ、中前への2点適時打。先制点を献上した。「違う選択肢があったかなと思います。バッテリーで話をしてしっかり振り返りたいと思います」と反省の1球だった。なお一、二塁からは、柳町に中越えの2点三塁打を浴び、一挙4点を失った。さらに4回には、渡辺に2ランを被弾。5回を被安打7、今季自身ワーストタイの6点を失ってマウンドを降りた。首位を走るソフトバンクに、電車道のごとく押し切られて土俵を割った。「試合を作ることができませんでした。申し訳ないです」と悔しさをにじませた。

打線はソフトバンク先発の大関の前に沈黙。4回まで無安打に封じられた。5回1死二塁から太田が放った中前適時打が、ようやく出たチーム初安打。6回1死一、二塁で銀次の二ゴロの間に1点を追加したが、合計2安打と奮わなかった。首位とのゲーム差が今季最大の3・5に広がった。夏本番へ向け、厳しい戦いとなった。

▽楽天石井GM兼監督(3年ぶりの弘前開催で勝利できず) 大勢入ってくれた。遠方からも来てくれたと思いますし、青森の方とかも来てくれたと思うし。いいところを見せたかったし、プロ野球の楽しいところっていうのをもう少し見せたかったかなと思います。

【ニッカン式スコア】5日の楽天-ソフトバンク戦詳細スコア