湧き上がる感情を抑えるように、にやりと笑っていた。完璧な“仕返し”弾だった。西武山川が26号2ランを放った。9回1死二塁。「完璧ですね」。左翼スタンドに中段までかっ飛ばした。

その1球前だった。カウント2-0からの3球目。酒居の141キロ直球は頭部付近に抜けてきた。「ボールが大きく見えた」。視界に捉える白球はどんどん大きくなり、顔に向かってきた。ギリギリでよけたが、ヘルメットの後ろを通過。そして背負うバットに当たった。“危険球”とまさに紙一重。ふと酒居に視線をやる。「危ないぞ」。心の中の冷静さを保つように、笑顔を保った。

本塁打をぶちかましたのは、その直後だった。133キロフォークを完璧に芯で捉えた。打った瞬間、バットを高々と夜空に掲げた。ドヤ顔でベンチを見つめ、堂々の確信歩きをかました。危険な球をくらった次の1球。本塁打という結果でやり返した。

「たまたまですよ」とした上で、「危険の球ではありますから、あれの後に打つのは『しゃ!』と」と“本音”もあふれた。また酒居への気遣いも忘れないのも、山川らしくカッコよかった。「基本的にコントロールいいですから。あの1球だけでしょ」。第1打席の先制適時打も含め3打点。本塁打26、打点53。頼もしく、動じない。混戦パ・リーグ。勝負の夏をけん引していく。【上田悠太】

▽西武辻監督(2位楽天との3連勝初戦を勝利) 昨日(7日)負けたので、そういう意味ではぜひ勝ちたかった。よかった。

▽西武オグレディ(2回に10号2ラン、8回に11号ソロ) 辻監督と平石コーチ、高山コーチとバッティングについて話をした。調整して、いいスイングができた結果。最高の結果になったね。

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