DeNAがシーズン後半戦に向け、補強に動いた。メジャー通算20勝を挙げるロバート・ガゼルマン投手(28)を獲得することが15日、分かった。近日中に発表される。今季はカブスでプレーし、同傘下3Aを自由契約とされた同投手は、キレのあるツーシーム、スライダーを駆使し、内外角に投げ分ける制球力も武器とする。メジャー通算184試合に登板し、先発、リリーフと経験豊富な右腕を補強。ヤクルト独走の中、セ・リーグ2位以下では唯一自力Vの可能性が残るDeNAが、秋の勝負に備える。

   ◇   ◇   ◇

勝負の秋に向け、DeNAが投手陣に厚みをもたせ、“反撃態勢”を整える。水面下で補強に動く中、白羽の矢を立てたのは、先発、リリーフと経験豊富なガゼルマンだった。今季、序盤は鈴木誠也とカブスでプレー。中継ぎで8試合に登板し、0勝2敗1セーブ、防御率4・70だった。カブス傘下3Aでは9試合に先発し、現地時間13日に自由契約が発表された。

メジャーでの実績が、大きな期待を抱かせる。通算184試合に登板し、20勝18敗15セーブ、防御率4・60。メッツに在籍した17年には22試合に先発し、8勝をマーク。リリーフに転向した18年は68試合に登板し、6勝3敗13セーブで勝ちパターンを担った。19年にも52試合に登板するなど、メジャー7年間で先発、中継ぎともに経験した。

現在、先発ローテは今永、大貫を軸に、浜口、石田、ロメロらで構成。この日先発予定だった坂本、京山、阪口、新型コロナ感染で療養中の上茶谷、東らが候補となる。「勝利の方程式」は守護神山崎、エスコバー、伊勢と盤石だが、田中健、クリスキーらが故障で離脱。すでに10試合が中止でシーズン終盤の過密日程が予想される中、ガゼルマンの存在は頼りになる。

投球の50%以上を占めるキレのある140キロ台後半のツーシーム、スライダーを駆使し、ゴロを打たせる193センチの長身右腕。両コーナーに投げ分ける制球力も武器で、日本の野球にも順応しやすいタイプとみられる。父はフィリーズ傘下でプレーした経験を持ち、ニックネームは「G」。「ハマのG」が、勝負に向け、ピースに加わる。

 

◆ロバート・ガゼルマン(Robert Gsellman)1993年7月18日、米カリフォルニア州生まれ。ウエストチェスター高ではバスケットボールで州大会2連覇。11年ドラフト13巡目でメッツ入団。16年メジャー昇格し、当初は先発、18年から救援転向。22年カブス移籍。通算184試合で20勝18敗15セーブ、防御率4・60。193センチ、90キロ。右投げ右打ち。ニックネームはG。父ボブさんは捕手として84~87年にフィリーズ傘下のマイナーに所属。

◆今季のDeNAの外国人選手事情 現在、1軍には野手でソト、投手でエスコバー、ロメロがプレーする。今季、1軍で18試合にリリーフ登板したクリスキーは右肘の張りでファーム調整中。腰の張りで2軍調整中のピープルズは2軍戦で実戦復帰し、調整を続ける。オースティンは4月に右肘の手術を受け、2軍戦に指名打者で実戦復帰したが、守備にはついておらず、1軍復帰時期は未定。

【関連記事】DeNAニュース一覧