阪神岩崎優投手(31)が、淡々と節目の数字に到達した。球団の日本人左腕では“たむじい”こと田村勤が93年に記録して以来、29年ぶりの20セーブに到達。「まだまだ試合はありますし、これからもひとつひとつ積み重ねられるように頑張ります」。当たり前のように抑え涼し気に言った。

9回、5番手で登板。新加入の秋山、マクブルーム、坂倉を内野ゴロで料理。中軸料理を平然とやってのけるからこそ、守護神だ。今季13度目の完封リレーをわずか11球で締めた。

質、量ともに充実のブルペン陣で、好調でも登板機会に恵まれない投手がいるのも事実。「今日も投げられない…」と思わず顔に出てしまう若手に、ある時、伝えたことがある。

「気持ちはすごく分かる。でも、勝っている時は態度に出さないように。1人になってから、いくらでも考えたらいいんだ」

中継ぎをしていれば、多くが通る道。スポットライトを浴びられない切なさも味わってきたからこそ、言える。プロ9年目、31歳。後輩たちにとって、精神的支柱としての役割も担う。

矢野監督も熟練の背番号13をたたえた。「経験を武器にしながらね。体が疲れたり、研究される中で、どう対応していくか。年数重ねたところが引き出しになっている部分もある。これからも頑張ってもらわないと」。7戦連続0封で防御率も1・87まで良化。セーブ数もリーグトップの巨人大勢の25まで5差に迫った。次のターゲットは、球団日本人左腕で最多の26セーブを挙げた82年の山本和行超え。また冷静に、1つずつ積み重ねる。【中野椋】

○…6年目浜地が勝ちパターンの7回に投入された。3点リードの場面でマウンドに上がると、先頭長野を高め直球で三ゴロ。続く小園を中飛、会沢を遊飛と3者凡退で今季8ホール目をマークした。今季27試合に登板し、防御率1・38と安定。矢野監督も「抑え方を見てても、ずっといい形で抑えてる。たまたまの、いいピッチングじゃない。任せたいと思わせるピッチングをしてくれている」と絶賛。7回は流動的な部分もあるが、成長著しい右腕も方程式に入っても遜色ないという評価だ。

【関連記事】阪神ニュース一覧