プロ野球は2日間の球宴を終え、29日からリーグ戦が再開。借金を完済した阪神は、11ゲーム差の首位ヤクルトとの3連戦(甲子園)に臨む。4番佐藤輝明内野手(23)は「一番手ごわい相手。自分たちの野球で勝つ」と力強く宣言した。奇跡の逆転Vへ、残り12試合ある直接対決では負けられない。豪快アーチで、ツバメを追い落とす。

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真夏の大逆襲へ、佐藤輝の爆発力は欠かせない。「またしっかり切り替えて、後半戦。今、勝率5割なので、どんどん積み重ねていけるように頑張ってきます」。2日間の夢舞台を終え、早くも戦闘モードに入った。

後半戦開幕でいきなり首位ヤクルトとの3連戦。「今、一番手ごわい相手なので、何とか自分たちの野球で勝ちにいきます!」と言葉にも熱が帯びた。球宴では全セのチームメート村上らツバメ戦士とも野球談議を交わしたが、リーグ戦となればライバルだ。4番が号砲を鳴らし、3連勝で8ゲーム差に縮めれば、これ以上ないリスタートとなる。

この日、佐藤輝ら8人の球宴組は休養したが、コーチとしてベンチ入りしていた矢野監督は、甲子園での全体練習に合流した。こちらも全セの指揮を執ったヤクルト高津監督と交流を図ったが、「それとこれとは別やからね」ときっぱり。残り12試合残されている直接対決を見据えた。

矢野監督 ヤクルトとの直接対決は残ってるんで、大きく勝ち越すことが必要になってくる。現状で言えば、ヤクルトは俺らにとっては特別な立場になる。そこが(後半戦の)スタートっていうのはウエルカムなんで。

勝率5割で臨む後半戦。「今までのことが全部大事。楽しむことも挑戦も諦めないことも。俺たちの野球って言うけど、それは全部入ってる」とやるべきことは変わらない。シーズン序盤に苦しんだ分、残り49試合は上がっていくだけだ。

矢野監督 ここから本当にすごい奇跡やドラマが起こるとなれば、とんでもないことになると思う。そういうモノを自分でも信じて思い描いて楽しむ努力をしながらやっていけたら、すごいことになるんじゃないかなと思っている。

甲子園からの再スタート。ツバメに1歩ずつ詰め寄る日々が始まる。【中野椋】

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