日本ハムは今季最多9投手をつぎ込む総力戦を、引き分けた。先発の上原健太投手(28)が7回を6安打2失点と踏ん張り、後を受けたブルペン陣が4番手の玉井大翔投手(30)をはじめフル回転。山賊打線を6回以降、無失点に封じた。攻撃陣は0-2の5回に3長短打で1点を返し、7回2死二、三塁から、途中出場の今川優馬外野手(25)の適時二塁打で追い付く粘りを見せた。首位西武相手の2連勝は逃したが、負けなかった。

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4時間49分に及んだ総力戦で、踏ん張った。今季最多の9投手をつぎ込み、延長12回を引き分けた日本ハム新庄監督は「ピッチャー陣がよく頑張ってくれたね!」と、球団広報を通じてコメントした。

4番手の玉井が、しびれる勝負を制した。同点の8回1死満塁から登場。西武栗山を見逃し三振に仕留め、球界屈指の“満塁男”中村を打席に迎えた。「ピンチだったけど、前回登板で僕がやられたところを、メネズに助けてもらったので、今回は(他の投手を)助けられるようにマウンドに上がった」と玉井。ピンチの場面でマウンドへ上がっても冷静なのは「僕の強い。開き直りじゃないけど、後悔しない球を投げ込もうと思った」と、得意の内角をえぐるシュートで詰まらせ、二ゴロに打ち取った。

チームは不運な形で勝ち越しのチャンスを逃した。7回に3長短打で追い付き、迎えた8回だった。1死一、二塁から、近藤が放った二遊間のゴロを、西武外崎が二塁ベースカバーに入った源田へ転送。二塁へスライディングした一走の日本ハム清宮と激しく交錯し、互いに数分間、立ち上がることが出来なかった。

1度はセーフになった清宮だったが、西武辻監督がリクエストを要求。守備妨害で清宮がアウトとなった。清宮が危険なスライディングを行ったと判定され、ボナファイドルールの適用で打者走者の近藤もアウトに。併殺で一気にチャンスがついえた。

延長10回の攻撃前には、この日2度目の「きつねダンス」をファイターズガールが披露して場内を盛り上げたが、2夜連続のサヨナラ勝ちはならず。首位西武を連日、苦しめたBIGBOSSは「明日はナイター後のデーゲーム。楽しいゲームを見せるために今日は早く帰って寝る!!!」と、威勢良く1日を締めた。【中島宙恵】