DeNAが、巨人に逆転勝ちし、球団記録をさらに更新する横浜スタジアム13連勝を飾った。1点差に迫った5回1死一、三塁、楠本のセーフティースクイズで同点。6回はソトが2戦連発となる勝ち越しの12号2ラン、8回には宮崎の6号2ランでダメ押しした。小技とアーチを絡み合わせた「新番長野球」で快勝し、首位ヤクルトとの7差をキープした。

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「新番長野球」を結集させた同点劇だった。3点を追う5回、先頭のソトが左前打で出塁。次打者の柴田は最低でも進塁打の狙いを示すように引っ張って、右前打で一、二塁へと広げた。反撃の好機に、三浦監督は「3点差というのもあったし、流れ的にも早めに追いつきたかった」と、代打の切り札のオースティンを起用。三振に終わったが、代打嶺井が左前打で1死満塁とし、桑原の2点適時打でムードを加速させた。

なおも1死一、三塁、三浦監督が楠本に送ったサインは、セーフティースクイズだった。「流れ的なものもあったので」と初球から勝負。指揮官の思いに応えるように楠本が「腹をくくって」と一塁線に転がし、同点に追いついた。「チーム全員の勝ちへの執念が詰まった点の取り方。何としても1点を取りにいく、目指してる野球ができたと思います」と楠本はナインの思いを代弁した。

3回に3点を先制される展開でも、三浦監督は「まだまだ、いける」と盛り上がるベンチの雰囲気を感じた。5回の攻撃前には石井野手総合コーチから「受けるのではなく、攻めていけ」とゲキを飛ばされ、さらに発奮。4本の単打とセーフティースクイズで追いつき、6回にソトの2戦連発の12号2ランで勝ち越した。8回には宮崎の6号2ランでダメ押し、チーム打撃と1発を絡み合わせた「新番長野球」を体現した。

巨人に3カード連続で勝ち越しを決め、球団記録を更新する横浜スタジアム13連勝を達成した。振り返れば、三浦監督が現役だった97年。首位のヤクルトに最大14差から2・5差へと猛追した姿と重なる。三浦監督は「選手はあの時を知らないですから」と笑った後に「球場、チームの雰囲気は似てるところもあります。いい雰囲気で戦えてるのは間違いないです」。首位ヤクルトとの差は7。最大17・5差からの大逆転劇を目指す。【久保賢吾】

▼DeNAが横浜スタジアムでの連勝を13に伸ばした。フランチャイズ制後、本拠地球場での連勝記録は、65年南海が大阪球場、80年広島が広島市民球場でマークした19連勝だが、現在の本拠地球場で13連勝以上は西武がベルーナドームで92年に15連勝と17年に13連勝、中日がバンテリンドームで12年に14連勝したのに次いで4度目。巨人は後楽園球場時代に15連勝しているものの、東京ドームでは12連勝が最長。

○…リリーフ陣が、4イニング連続の3者凡退で勝利をたぐり寄せた。守護神山崎を休養でベンチ外とする中、同点に追いついた直後の6回を平田、7回からは入江が2回、9回はエスコバーが締めた。三浦監督は「リリーフ陣が流れを持ってきてくれた」と評価した。この日から先発要員の坂本がリリーフ待機。京山を先発起用する可能性が高まった。

▽DeNA桑原(5回に1点差に迫る2点適時打)「絶対、流れを止めないぞ! と強い気持ちを持って打席に向かった。みんながつないでくれたので、自分もつなぐ気持ちで打ちにいった」

▽DeNAソト(6回に2戦連続となる決勝の12号2ラン)「スゴーーイ! カンペキ! 勝ちにつながるホームランだったので、興奮した」

▽DeNA宮崎(8回にダメ押しの6号2ラン)「佐野がヒットで出塁して、自分も後ろにつなぐ気持ちでいました。貴重な追加点を挙げることができて、よかったです」

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