4年ぶりのG斬りや! 阪神才木浩人投手(23)が6回1/3を4安打1失点の好投で、18年5月27日(甲子園)以来1547日ぶりの巨人戦勝利を飾った。敵地東京ドームでは初の白星だ。

気迫の投球が光った。2回無死一、二塁のピンチでも、力強く腕を振った。ウィーラー、大城をフォークで2者連続空振り三振を奪うなど無失点で切り抜けた。「ああいう展開でもゼロで抑えられるということができた。反省するところもありますけど、いい勉強になったと思います。三振がほしい場面でしっかり低めにフォークを投げきることができた」と自信を深めた。

先輩右腕のゲキに応えた。前日20日に今季初勝利を挙げた藤浪がヒーローインタビューで「明日はね、才木が投げるんですけども、しっかり投げてくれると思うので、みなさん期待しててください」とエールを送っていた。さらに試合前に「お前も続けよ」とハッパをかけられたという。相手打線を4安打に抑え、7奪三振を記録。この日の試合後は藤浪に続き、マイクを向けられ「次は自分が藤浪さんにハッパをかけられるように頑張ります」と笑顔で返した。

気配りの男だ。7月10日に母校・須磨翔風が兵庫大会2回戦で神戸国際大付に延長12回の死闘の末に敗戦。才木は試合後、恩師・中尾修監督(56)にLINEで「残念です」と送った後、「甲子園で投げる時に来てください!」とチケットを送った。指揮官は「僕の気持ちを切り替えてくれようとしてくれたんだと思います。お互いに頑張りましょう、と」と感謝。この日も中継ぎ陣がベンチに戻ると駆け寄る場面が印象的だった。

矢野監督は「1軍に上がってから、ずっと試合をつくってくれていますし、才木らしく向かっていく投球をよくしてくれている」とたたえた。これで今季3勝目。「ここからしっかり流れに乗って勝てるように、チーム全体で頑張っていきたい」。右肘のトミー・ジョン手術を乗り越えた背番号35が、先発ローテーションに欠かせない存在になった。【三宅ひとみ】

○…今季25セーブの岩崎が、セーブ機会ではない5点リードの9回に登板した。本塁打を放っている先頭岡本和を二飛に仕留めると、石川、北村も打ち取り3者凡退で試合を締めた。岩崎は14日中日戦で9回に勝ち越し点を許し、2戦連続で敗戦投手に。心身両面のコンディション回復を図るため、一時的にクローザーを外れる可能性が高まっていた。中6日での登板は危なげない内容だった。

○…岩貞が0回2/3を2安打無失点で抑えた。3点リードの7回1死から先発才木に代わってマウンドへ。巨人大城をスライダーで空振り三振。若林、ポランコに連打を浴び、2死一、三塁のピンチを背負ったが、吉川を中飛に打ち取り追加点を許さなかった。左腕は3試合連続無失点、防御率1・59と安定している。

○…湯浅が巨人打線を3人で片付け、15試合連続無失点に抑えた。5点リードの8回に3番手で登板。坂本を右飛、丸を二ゴロ、中田を右飛と上位打線を寄せ付けなかった。「才木さんがいい投球をしてくれていたので、いい雰囲気の中でマウンドに上がることができました」と先輩に感謝。「いつも通りバッターに向かっていく気持ちを持って投げられた」と中6日と登板間隔が空いたが、心配は無用だった。

○…糸原が犠飛を放ち、先発才木を援護した。1点リードの1回1死満塁。巨人シューメーカーのスライダーを中堅に運び、追加点を挙げた。5試合ぶりの打点に「才木を少しでも楽に投げさせるために、どんな形でもいいので、もう1点欲しいと思っていました。最低限ですが、仕事ができてよかったです」とホッとした様子だった。

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