日本ハムが、3年ぶりの日没コールドで引き分けた。オリックス20回戦(釧路)は、0-0のまま7回裏終了後に審判団が協議。試合続行が不可能と判断して、打ち切りとなった。新庄剛志監督(50)は「初めての経験じゃないかな~」。この日は朝から霧が立ちこめ、小雨がパラつく空模様だった。日没コールドは、19年8月28日西武戦(釧路)以来。チームは18年以来、4年ぶりとなる釧路開催での勝利を逃した。

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午後4時1分、照明設備のない地方球場の視界は限界に近かった。7回裏の日本ハムの攻撃が終了したところで、BIGBOSSがベンチを飛び出した。相手ベンチへ向けて「ボールが見づらい」とばかりに、しきりにジェスチャーを繰り返す。グラウンドでは、審判団が試合を続行するか話し合いを開始。6分間の協議を終え、責任審判の木内塁審が「このような天候で、これ以上、試合を続行することが厳しいと判断しましたので日没コールドといたします」とアナウンスすると、8770人で埋まったスタンドは、無念の叫びに包まれた。

新庄監督 初めての経験じゃないかな~。(現役時代も)なかったと思うんですけどね。ベンチから見たら暗くないけど、グラウンドの方へ行くと暗いから。150キロ近くの球が来るんだから、そりゃあ危ないじゃん。

「霧の町」として知られる釧路。この日は、朝から霧と風速10メートルを超える強風に見舞われ、真っ黒な曇天からは時折、小雨が落ちた。悪天候ではあったが、試合は意外にも投手戦に。3回1死満塁では、捕手登録ながら右翼を守った古川裕が本塁へノーバウンドのレーザービーム。追い風に返球を乗せ、失点を防いだ。3度の満塁機を逃したオリックスに対し、日本ハムも5回1死から右安打を放った杉谷が、相手が後逸するのを見て三塁を回ったが、つまずいて憤死。「今日は、なんか甲子園決勝みたいな野球をしてたね。“踏んだり、踏んだり”だったね」と、楽しげに笑った新庄監督は「あっちは満塁で1本出ないし、こっちは走塁で“あーだ、こーだ”なるし。ベンチで大笑いしてましたよ」。連敗ストップ、そして釧路での4年ぶり勝利は逃したが、BIGBOSSの道東初上陸に、霧の町が盛り上がったのは確かだ。【中島宙恵】

○…秋田出身の吉田が5回2死満塁のピンチで登板。前日に仙台育英が東北勢甲子園初優勝を決め「やっぱ感動したので、僕もちゃんといい投球しないとなって。まあまあイカつい場面だったので気合は入りました」。1球で一邪飛に仕留めると、2イニング目は「久しぶりの掘れる地方球場だったので」とセットポジションに変更。新庄監督からは「頭の柔軟性があるっていうのは、いいですね」と評価された。

【ニッカン式スコア】23日の日本ハム-オリックス戦詳細スコア