阪神近本光司外野手(27)が、昨年、今年と2年連続でオフ期間に自主トレを行った鹿児島・沖永良部島の子どもたちを京セラドーム大阪に招待した。

昨年も計画はしていたものの、新型コロナウイルスの影響で中止に。今回は念願かない、11人の子どもたちが一塁側スタンドから熱視線を送った。引率した和泊町役場職員の瀬川文慎さん(46)は「離島なので、こういう試合をなかなか見ることができない。現役の選手が自主トレに来て、それをまた子どもたちが見ることができた」と感謝。「子どもたちの野球に対する意識がまた(高まった)。プロ野球選手が夢という子が増えていると思います。(島内では)昔から巨人ファンが多いんですけど、阪神のファンも増えたりとか。『今日阪神どうだね』という風に、島民の方からも声を掛けられるようになりました」と“近本効果”について語った。

自主トレ期間中に開催された近本の野球教室に参加したという西彪斗(にし・ひゅうと)君(12)は「迫力があります」と目を輝かせ、冨岡瑛真(とみおか・えま)さん(10)は「近本選手が打ったので、すごいと思いました」と笑顔だった。試合後には、敗れたが、近本は整列後、子どもたちに向けて手を振り、力いっぱいの応援に感謝を示した。

遠路はるばる関西までやって来た子どもたちの目的は野球観戦だけではない。前日には大阪城や道頓堀など観光を満喫。今後は甲子園歴史館のスタジアムツアーにも参加する予定だ。近本は「離島の子どもたちに社会体験をしてほしい」という思いを持っており、普段は味わえない経験を3泊4日の日程で持ち帰る予定だ。

近本は昨年、知人から「淡路島と形が似ている」という理由から提案を受け、鹿児島・沖永良部島を自主トレ先に選んだ。「海がきれい」と魅力を語っており、練習の合間にはウミガメ探しに目を凝らしていた。今ではすっかり島の魅力にとりつかれている。瀬川さんは「鹿児島の離島から来てるものですから各負担がかなりありはするんですけど、こういう風に案内をいただければ、島の方でも(今回のように)できたらなと思っています」と来年以降の継続を願っていた。【中野椋】

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