阪神は1発に泣いた。24日のDeNA戦(京セラドーム大阪)は0-0の7回に先発伊藤将司投手(26)が桑原に決勝満塁アーチを被弾した。その直前の2死二塁の場面で代打伊藤光捕手(33)を申告敬遠したが裏目に。DeNA打線につながれて痛恨の1発を浴びた。DeNA戦は9年ぶりの負け越し、夏の長期ロードは5年連続で勝ち越しがなくなった。

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京セラドーム大阪が2夜連続でため息に包まれた。DeNAと同じ6安打を放ちながら、スコアボードは2日連続のゼロ行進。今シーズン23度目となる屈辱のゼロ封負けで、球団ワーストとなる63年の24度に王手をかけてしまった。あまりにも無抵抗。あまりにもさみしすぎる惨状。試合後に会見した矢野監督もため息交じりだ。

「いいところも見つけたいけど…。まあ、まあ、ね、ゼロじゃ勝てないんで。頑張ります」

またまた左腕にやられた。0-0の4回には1死から3番近本が左前打、5番大山の右前打で2死一、二塁の先制機を演出するも、6番原口がチェンジアップを引っかけて投ゴロ。DeNA浜口を相手に得点圏に走者を進めたのは、この1度だけ。スイスイと投げられて6回3安打無得点。2試合連続で白星を献上した。これでタイガース打線は、相手先発が左腕の試合は21勝28敗で9戦連続で黒星。左腕地獄に陥った。

新型コロナの陽性判定を受けた近本が戦列に復帰して2試合目。中野、大山らもコロナの影響を受けて療養期間を経て復帰してから間がない。個々の力が発揮しきれず点と点が線にならない。万全の状態とは言えない。それでも矢野監督は自身に言い聞かせるように力を込めた。

「万全じゃないっていうことだけではね、そんなん言い訳にできないんで。万全に自分らでしていかないかん。それは俺も含めてね、うん。言い訳にはならないでしょう」

2位DeNAとの差は7ゲーム差に広がった。週末の中日戦は大野雄、小笠原と左腕との対戦が予想される。まさに正念場。このままズルズルと引き離されるわけにはいかない。【桝井聡】

○…大山が3安打と気を吐いた。4回2死一塁から右前打、7回は無死一塁で入江から中前打。9回は2死走者なしで平田から意地の中前打を放った。打線がDeNA投手リレーを打ち崩せない中、チーム唯一のマルチ安打をマーク。新型コロナの感染から復帰後5試合で19打数8安打、打率4割2分1厘を記録し、打線をけん引している。

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