阪神は1発に泣いた。24日のDeNA戦(京セラドーム大阪)は0-0の7回に先発伊藤将司投手(26)が桑原に決勝満塁アーチを被弾した。その直前には代打伊藤光捕手(33)を申告敬遠したが裏目に。DeNA打線につながれて痛恨の1発を浴びた。DeNA戦は9年ぶりの負け越し、夏の長期ロードは5年連続で勝ち越しがなくなった。

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伊藤将が1発に沈んだ。DeNA先発浜口とお互い譲らず6回まで「0」を並べた7回2死満塁。桑原に1ボールから真ん中に入った直球を左翼席へたたき込まれた。スタンドの虎党が沈黙する中、スコアボードに絶望的な「4」の文字が記された。伊藤将は「ピンチの場面で最後粘り切ることができず、チームに申し訳ない」と唇をグッとかみしめた。プロ21本目で初の満塁弾を許した。

矢野監督は「まあ、1球の怖さっていうか。もちろん、あそこは頑張ってもらわなアカンところやったけどね。やっぱり点取られへんから、どうしても投手にプレッシャーかかってしまうし。まあ、投手だけの責任ではないかなと思うし」と、悔しそうに振り返った。

低調な打線が、間接的に7回の満塁のピンチをつくった。2死二塁でDeNAは8番戸柱に代打伊藤を起用。次打者席には9番の投手浜口ではなく関根がいたが、浜口もベンチ内で打席への準備をしていた。6回まで87球、わずか3安打で無得点に抑えられていた浜口には、前回10日の対戦も8回無得点。ここで阪神ベンチは、伊藤を申告敬遠した。2死一、二塁と塁を埋め、代打関根との勝負を選択。浜口を降板させた。

しかし関根には初球、二塁前へのセーフティーバントを決められ満塁。1番桑原に痛恨のグランドスラムを浴びた。7回4失点で降板した伊藤将は3連敗。矢野監督も「将司らしいボールはいっていると感じた」と投球内容は評価したが、週頭の12勝右腕青柳と水曜日の伊藤将が2週続けて勝てていない。

チームは9年ぶりにDeNAに負け越した。借金3で、首位ヤクルトには11差、8連勝の2位DeNAとは7差に広がった。長期ロードも8勝12敗と勝ち越しがなくなった。今季京セラドーム大阪での主催試合は8戦全敗で、うち0敗は6度。この日もスタンドには多くの少年少女野球の子どもたちが、最後まで大声援を送っていた。今季同球場ラストとなる25日は、負けるわけにはいかない。【石橋隆雄】

○…馬場が約4カ月ぶりに1軍戦に登板し、1回を無失点に抑えた。23日に新型コロナの陽性判定を受け特例2022で抹消された加治屋の代替選手として、この日1軍に昇格。8回に2番手で登板し、佐野を中飛、牧は空振り三振に仕留めるなど、堂々の投球で中軸をねじ伏せた。夏の甲子園を制した仙台育英OBの右腕は「久しぶりの登板でしたが、自分の投球をすることができました」。矢野監督は「チャンスをつかめばいい」と期待した。

○…島本が1回ゼロ封で、20年11月の左肘手術を経て1軍昇格後の連続無失点試合を6に伸ばした。4点ビハインドの9回に3番手で登板。柴田を二ゴロ、伊藤を空振り三振。2死から関根に四球を許すも、桑原を右飛に打ち取った。これでプロ初登板から111試合連続で無敗を継続。桟原将司が持つ球団記録の116まで残り5試合に迫った。

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