ソフトバンクは今季14度目の完封負けを喫し、2連敗となった。シーズン14度のシャットアウト負けは、Bクラスだった昨季の13度を超え、17度だった12年以来10年ぶり。首位西武が敗れて0.5差は変わらないが、振り向けば3位オリックスが1差に迫ってきた。藤本博史監督(58)は「つながらんね。流れを変える1本というのが、なかなか出なかったですね」と、無得点の打線を嘆いた。

チグハグな攻撃が続いた。初回の無死二塁では、2番野村勇が遊ゴロ。二走の今宮は三遊間で挟まれてアウト、さらにその間に二塁を狙った打者走者の野村勇も二塁上で憤死した。指揮官は「バント、エンドラン、右打ち。この3つはレギュラーになろうと思ったら技術を上げないと」と、ルーキー野村勇に注文した。

2点を追う5回には、藤本監督もハテナマークが浮かぶシーンがあった。先頭のガルビスが中前打。続く増田の打席の初球で二盗を仕掛けたが、失敗に終わった。サインミスかと思われたが「勝手に走りました。(作戦も)なんもないですよ。びっくりしましたわ。2点差で『さぁ行こう』というところだったけどね」と指揮官は言う。結果論だが、増田が中前打を放っていただけに、もったいない盗塁死だった。

8月は柳田や牧原大ら主力をコロナ離脱で欠きながら、14勝11敗1分けと3つの貯金を作って耐えた。パ・リーグは、1位から5位までが5.5差にひしめく歴史的混戦。藤本監督は、勝負の9月に向けて「本当に気持ちを切り替えてやっていかないといけない」と手綱を締めた。【只松憲】

○…19年以来3年ぶりに3番起用された明石が、今季初のマルチ安打で応えた。1回に左前打、6回に中前打。先発出場も6月8日の阪神戦以来、約3カ月ぶりだったが「自分のスイング、役割を果たすことしか考えませんでした。とにかくチームの勝ちにつながるようにしていくだけです」と、36歳のベテランは頼もしかった。

○…石川が17年以来2度目となるロッテ石川歩との同姓対決に、またも負けた。0-0の4回に2安打3四死球など制球を乱し、2失点。5回5安打2失点で8敗目を喫した。右腕は「コントロールがつかず、今シーズンで一番調子が悪かったように感じました」と肩を落とした。5年前も4回途中8失点で、石川歩との投げ合いに負けていた。

▽ソフトバンク森(6回から2番手で2回無失点)「イニングまたぎでの登板だったが、ひとりひとりのバッターを抑えることだけを考えました。2イニング(ロング)でいくと言われていたので、次は3イニングいけるようにしたい」

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