DeNAが8月を白星で締め、再び追い上げモードに入った。浜口遥大投手(27)が7回6安打2失点で7勝目。前回8月24日の阪神戦では7回の好機に代打を送られ、悔しさから革手袋をたたきつけた。この日は7回まで、きっちり投げきり、逆転勝利を呼び込んだ。チームは先週、首位ヤクルトとの直接対決3連敗を含む4連敗。逆転優勝の望みが後退したが、週が変わり2連勝。引き分けた首位ヤクルトと6・5ゲーム差とした。一丸の戦いで再加速する。

   ◇   ◇   ◇

課せられた最後の打者を仕留めると、浜口は大きく口を開けて叫んだ。3-2の7回2死走者なし。中日岡林をフォークで空振り三振。「とにかく、低め、低めに」。序盤は安定しなかった落ち球も、打者の反応を見ながらカウントを整え、尻上がりに定まった。この日初めての3者凡退で、逃げ切り態勢をつくった。ベンチは、8回はエスコバー、伊勢、9回は山崎とぜいたくにつぎ込み、1点差勝利をつかんだ。

1週間前と対照的だ。24日の阪神戦。0-0の7回2死一、二塁で代打を送られた浜口は、思わず、打撃用の革手袋をたたきつけた。「(感情を)出さないに越したことはない」と反省したが、三浦監督の見方は違った。「あの悔しさがないとダメ。もっともっと、勝てるピッチャーになれる」。その試合、代打が奏功し、浜口に勝利が付いた。そして、この日は7回を投げきって勝利。指揮官が思った通り、勝ちを重ねた。

“悔しさ”は、飛躍への原動力になる。浜口は19年が忘れられない。首位巨人を猛追し、最大10・5ゲーム差から一時は0・5ゲーム差まで迫った。だが、追い抜くことはかなわず2位に終わった。「それで満足してはダメだと感じました。首位争いしたけど負けましたでは意味がない。絶対優勝したい」と振り返る。DeNAになってからは最高のチーム成績でも、悔しさが強かった。

今季も首位ヤクルトを最大17・5ゲーム差から猛追。一時は4ゲーム差まで迫り、また離された。もちろん、それで諦めるはずもない。「もう、とにかく勝つしかない。自分が投げる試合は全部、チームが勝てるように全力を尽くしたい」と力強く言った。月間18勝は、97年8月の20勝に次ぐ球団史上2位タイ。9月になっても、勢いは絶やさない。いや、さらに勢いづける。【古川真弥】

 

○…牧が決勝点となる打点を挙げた。2-2の6回1死一、三塁で三ゴロに打ち取られたが、一塁へ懸命に走り併殺を阻止。三塁走者の生還につなげた。これで今季72打点とし、1年目の昨季の71打点を超えた。「チャンスで、どんな形でも得点することができ良かったです。(昨季を)超えることができうれしいですが、まだまだ頑張っていきたいと思います!」と元気よく誓った。

▽DeNA三浦監督(浜口に)「我慢強かった。序盤に1点ずつ取られたけど、要所を締めながら。真っすぐもスピード以上に腕が振れ、ボールも走っていた。バッテリーでうまく攻めたと思います」

▽DeNA戸柱(5回2死、右越えに同点の4号ソロ)「最高です! (9月は)本当の勝負。8月最後に勝てて、また勢いが出ると思います」

▽DeNAソト(2回2死、右越えに一時同点の14号ソロ)「カンペキ! 浜口のためにも早い段階で追いつきたかった」

【関連記事】DeNAニュース一覧