あの歓喜を再び-。仙台6大学野球秋季リーグ戦が今日3日に開幕する。

昨秋のリーグ戦を制した仙台大は「連覇」のこだわりを捨て、一戦一戦に集中する。小笠原悠介主将(4年=北海道栄)は「完全燃焼」と力強く宣言。泣いても、笑ってもラストシーズン。苦楽をともにしてきた仲間と悔いなく、全力で立ち向かっていく。目標に掲げる2年連続の明治神宮大会出場へ、仙台大ナインが「仙6秋の陣」に臨む。

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小笠原主将の目は決意に満ちていた。

「連覇の意識はないです。(昨秋の)優勝は先輩たちのチーム。自分たちは自分たち。先を見据えず、目の前の一戦をどうするか。一戦必勝で戦っていく」

「1敗」が命取りになるリーグ戦。「1本にかける思い、1球にかける思いにこだわっていく」と力を込めた。だが、その気持ちは試合に出場する選手だけでは意味がない。「全員が同じ思いで戦っていく」。ベンチ、スタンドの選手も思いはひとつ。「ワンチーム野球」を貫いていく。

悔しさを胸に秘める。今春のリーグ戦は、あと1歩で力尽きた。最終節で優勝に王手をかけたが東北福祉大に手痛い連敗。逆転Vを許した。「打撃の差が大きかった」。浮かび上がった課題は「長打力」。以降はスイングスピード向上にこだわった。「平均5キロ、10キロはチーム全体で上がっている」と手応えを口にする。春の敗戦を糧に、秋本番でその成果を発揮する。

4年生にとっては泣いても笑ってもラストシーズンだ。「自分を信じ、仲間を信じ、積み上げてきたことを出すだけ。全員でつらい思いをした先に最後は、楽しく、うれしく、悔いなく、終わりたいと思います」と言い切った。厳しい戦いだが、チーム一丸で乗り越え、Vロードをひたすら突き進んでいく。【佐藤究】