広島の守護神栗林良吏投手(26)が2年連続30セーブを達成した。4点リードの8回1死一、三塁から登板して、今季初のイニングまたぎで、30セーブ目を記録。球団では07~09年まで3年連続の永川につぐ2人目。新人から2年連続30セーブとなれば、15~16年山崎(DeNA)以来でプロ野球史上2人目、球団初の記録となった。守護神が試合を締め、3位阪神には1ゲーム差に迫った。14日も勝てば、8月18日以来の3位タイに浮上する。

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逆転を信じて声援を送る、阪神ファンを黙らせるには十分な30球だった。4点リードの8回1死一、三塁から登板。島田に犠飛を許したものの、点差は3点にとどめた。今季初の回またぎとなった9回は3者凡退。プロ野球史上2人目の新人から2年連続30セーブを挙げた。「監督さんが今日みたいに使ってくれたり。自分の力というよりはみんなに感謝してこれからも継続して投げたい」。まず出てきたのは感謝のひと言だった。

今季は自身未経験の延長戦復活により、苦労もあった。4月2日の中日戦(バンテリンドーム)では、1点のリードを奪った直後の延長12回に登板したが、リードを守れず。「もちろん難しさもあった」。通算56登板目にして初めてセーブに失敗した。

周囲はざわついた。2年目のジンクスか-。

本人も覚悟はしていた。「周りからは『2年目のジンクス』という言葉がどんどん出てくると思う」。周りの不安を、そして、そんなジンクスを振り払うには1つしかなかった。「結果を残していきたい」。

延長戦では準備の頻度と強度を減らした。平常時の登板でも、時期によっては足の上げ方などにも手を加えた。4月24日にはプロ初ホールド。6月21~23日には初の3日連続登板もした。記念セーブはプロ入り2度目で、今季初の回またぎ。最終回を守る守護神として、日々経験を上積みしている。

2年連続30セーブは球団では07~09年まで3年連続の永川に次ぎ2人目。新人から2年連続となると、15~16年山崎(DeNA)以来、史上2人目で、球団初。歴史に名を残す守護神となった。

守護神が試合を締め、3位阪神には1ゲーム差に迫った。14日も勝てば、3位タイに浮上する。今季は残り9試合。「残りの試合は全部いくつもりで準備したい」。逆転CSへ、守護神はフル回転を辞さない。【前山慎治】

▼広島栗林が今季30セーブに到達した。1年目の昨年も37セーブをマーク。新人年から2年連続30セーブ以上挙げたのは、DeNA山崎康晃(15年37セーブ→16年33セーブ)以来、プロ野球史上2人目。

▽広島佐々岡監督(8回途中から栗林を送りだし、今季初の回またぎ起用に)「(残り)試合数も少ない。選手も分かっていると思う。明日も栗林に頑張ってもらうというのも(あり得る)」

○…先発九里は毎回安打で4回1/3を1失点で降板した。4回までは無失点投球。5回1死から連打で一、二塁とすると、続く大山に中前適時打を浴び、2番手森浦とスイッチした。森浦が後続を抑え、追加点は防いだ。前回対戦の8月31日も4回に3適時打を浴び、イニング途中で降板。「リベンジもしたいが、まずはチームの勝利を」と意気込んでいたが、3位阪神との直接対決で責任投球回を果たせなかった。

▽広島森浦(5回1死一、二塁から救援し、打者2人を抑え、3勝目)「マウンドに上がったら打者を抑える気持ちでずっと投げている。甘くならないように投げた」

▽広島羽月(2点リードの6回1死二、三塁で青柳から左中間に2点適時二塁打)「クイックに負けないようにセッティングしていた。本当にくらいついただけ」

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