オリックスのコアな情報をお届けする「火曜B」。今月は第2月曜日に試合が行われたため、掲載日を替えて特別編でお届けします。今回は球団公式SNSなどで「#ガッツしか勝たん」の合言葉とともにチームを盛り上げる阿部翔太投手(29)を特集。新人王資格も保有するプロ2年目右腕が、残り11試合も「阿部ガッツ」さく裂で逆転連覇に一役買う意気込みです。【取材・構成=真柴健】

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ガッツあふれる右腕が、チームのムードメーカーだ。えくぼが特徴的な阿部が、オリックスの優勝争い盛り上げに一役買っている。「何もわからない状況で1年間が進んでいる。ビハインドでも、勝ち場面でも、どんな役割でも同じような気持ちで。もちろん、責任はありますけど、僕は今まで通りにしかできない。1試合1試合という強い気持ちです」。無我夢中で腕を振っている。

2年目の今季は39試合に救援登板し、1勝0敗、2セーブ、19ホールド。自責は3だけで、防御率は0・69の好成績。新人年の昨季は右肩痛の影響もあり、4試合の登板にとどまったが、今季は開幕から19試合連続無失点。直近も15試合連続無失点とスコアボードに「0」を並べる日々だ。

登板のたびに存在感が増し、最近では2~4日の敵地ロッテ戦で野手が行う試合前の円陣に“飛び入り参加”した。「(吉田)正尚とかが『阿部ガッツ』と言ってくれて(笑い)。あのときは安達さんから頼まれて、円陣に加わりました」。効果はてきめん。チームは3連戦3連勝を飾った。

阿部はピンチで3つ目のアウトを奪うと、右拳を力強く握る。「結構(感情を)表に出すタイプ。ガッツポーズを後から(映像で)見返したら、結構、大きくしていて(笑い)。自分の中では記憶にないんです。自然とそうなってます」。

29歳ながら、新人王資格もある。「平野(佳)さんから『あるんちゃう?』と言ってもらったんですけど、年齢的に考えてなかった。去年、この時期はテレビでしか見れてない。意気に感じて優勝争いを。目の前の1試合に気持ちを込めて、しびれる試合を」。阿部ガッツが出れば出るほど、歓喜の瞬間が近づくはずだ。

◆阿部翔太(あべ・しょうた)1992年11月3日大阪府生まれ。中泉尾小時代に野球を始め、大正シニアでは捕手。酒田南で2年夏に甲子園出場した際も捕手で、3年春に投手転向。成美大4年では主将も務めた。日本生命では都市対抗、日本選手権にそれぞれ4度出場。20年ドラフト6位でオリックス入団。28歳での入団は球団新人最年長だった。178センチ、80キロ。背番号45。右投げ左打ち。