阪神青柳晃洋投手(28)が19日、矢野監督へ恩返しの必勝を誓った。先発予定の20日のDeNA戦へ向け、甲子園でキャッチボールなどで調整。「勝ってないですし、チームに迷惑をかけている」。6試合勝ち星から遠ざかり、終盤戦の失速に責任を感じずにはいられない。それでも大事なAクラス争いの佳境で、もう1度先発を託された。

「使ってもらえることは本当にありがたい。これだけ負けていたら、1回抹消ということもあってもいいと思うんですけど、こうやって投げさせてもらってる。本当に頑張るしかない」

特に直近は2戦連続6回5失点降板の低調投球。2軍落ちを命じられてもおかしくない。それでも信じてくれる矢野監督に届ける感謝は結果で応えることだ。

「監督に1軍の舞台に連れてきてもらった」。指揮官が1軍監督に就任した19年、初めて先発ローテーションに定着した。2軍でくすぶっていた18年、当時の矢野2軍監督から7、8割の力で投げる脱力投法の考え方や、一塁へのワンバウンドスローの勧めなどが開花の転機になった。現在も継続している助言の数々がエースにのし上がる糧になった。今季限りで退任する“恩師”をBクラスで終わらせるわけにはいかない。

「CSまで行って、監督が1試合でも長くタイガースのユニホームで試合ができるように。そういう状態を作るためにも頑張っていきたい」。思いを伝え聞いた矢野監督も改めて信頼を明かした。「うれしい。ヤギに託すしかないんで」。

タイトル争いも佳境だ。防御率2・02はトップだが、勝ち星12は巨人戸郷に並ばれた。「もちろん意識はします」とした上で、最優先は勝利優先と力を込めた。「CSに向けてチームが頑張っている。打たれても勝ちにつながる投球をして、その結果タイトルが取れたら。逃げずに最後の最後まで戦っていきたい」。まずは恩返しの快投で8月2日の巨人戦以来、約1カ月半ぶりの勝利をもぎ取る。矢野監督有終の花道を必ずつくる。【古財稜明】

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