「完封」再現で逆転CSへ!! 阪神才木浩人投手(23)が今日23日の広島戦に先発し、残り4戦でのクライマックスシリーズ(CS)進出に向けて仕切り直す。22日は甲子園で藤浪とキャッチボールし、今季公式戦最終先発に備えた。

「1試合1試合、勝ちにこだわるのは、いまに始まったことじゃない。自分はしっかり、いつも通り、試合に臨めたら問題ない。いつも通り、しっかり自分の投球をすることが第一」

前日21日の広島戦を大敗し、4連敗で5位に転落。CS進出は崖っぷちだが、平常心で臨む。「負けられない戦い、CSをかけてというのはそう思う」と話しつつ受け流した。「1回も試合を壊したり、大量失点がないのは自分の中ですごくいいこと」と胸を張る。

かつてのホープが今季、復活した。抜群の球威と189センチの角度を生かし、高卒2年目の18年に6勝。20年11月に右肘を手術後、育成選手からはい上がってきた。今季は4勝。広島は好相性だ。1日に対戦し、降雨コールドの6回無失点でプロ初完封。「いい打者が多い。坂倉や小園。でも要所をしっかり締めれば大丈夫」と話した。頭上の4位広島を打倒する快投を再演し、勢いをつけたいところだ。

かつての剛腕は力の出し入れを覚えた。「『エイヤ!』で投げるのがなくなった」と明かす。矢野監督も「真っすぐの強さは手術前よりだいぶ出て、押せている。押しながら引くのが、いまできている。まだまだ伸びしろがある」と期待する。宝刀フォーク以外の変化球も精度が上がれば、おのずと完投能力も上がる。

矢野阪神の真価を問われる4番勝負だろう。才木のあとは青柳、伊藤将が先発で続き、公式戦最終戦の10月2日ヤクルト戦(甲子園)は今季6勝の西純が先発の見通し。まずは才木の快投から逆襲の道筋をつけたいところだ。【酒井俊作】

○…藤浪が第2先発として、ブルペン待機する。23日の広島戦(マツダスタジアム)では2番手以降の役割として広島遠征に同行。「(中継ぎとしての難しさは)当然あります。状態としては悪くないので、そこそこのパフォーマンスはできるかなと思います」。前回登板の18日、ヤクルト戦では6回2安打1失点と好投を見せた右腕が好リリーフでチームを支える。

○…糸原が「超人魂」を胸に残り4試合必勝を期した。前夜、糸井の引退セレモニーでは花束を手渡し会話もかわした。「あらためて偉大な選手だと感じましたし僕もすごくお世話になったので、ひとまず、お疲れさまでしたと声をかけました」。6試合連続安打中で9月は打率3割2分6厘。好調男は「とにかく、目の前の1戦1戦をしっかり勝ち切れるように頑張ります」と前を向いた。