トップタイの153安打でセ・リーグの最多安打争いをけん引する阪神中野拓夢内野手(26)と近本光司外野手(27)が、タイトルをかけて最後の3試合に臨む。

23日広島戦の猛打賞で近本に並んだ中野は「去年最多安打を取っている先輩と争えることは、自分の中でもとてもいい財産になる。なんとか負けないように」と気合十分。近本先輩との切磋琢磨(せっさたくま)でモチベーションをより高め、ラストスパートで量産態勢に入る。

セ界の最多安打争いには猛者がひしめく。150安打以上はリーグで6人。中でもDeNA佐野、中日岡林、ヤクルト村上は、阪神より残り試合数が多い。あと3試合の中野、近本は、相手にプレッシャーをかける“貯金”が必要になる。ギアを上げて、ライバルとの差を広げたいところだ。

獲得すれば昨季の盗塁王に続くタイトルになる中野は「正直あまり数字は考えていなくて」と前置きした上で、表情を引き締めた。「自分のバッティングをすれば、おのずとヒットになりますし、自分のやるべきことをしっかりやればいいかなと思います」。平常心で快音を奏で続ける。その先にタイトルが待っていると無心で臨む。

1番中野、3番近本の安打量産は、チームの勝利に直結する。初回に先制すれば、一気に波に乗れる。27日ヤクルト戦の相手先発予想は4年目右腕の市川。電光石火の攻撃で、一気の攻略といきたい。【中野椋】