ヤクルト村上宗隆がチームを連覇へ導いた。今季は肩書付きの殊勲安打が32本、殊勲本塁打が25本あり、勝利打点は球団タイの19度。この3部門ともリーグトップで、「3冠王」に加え「殊勲3冠」の獲得も狙う。

勝利打点は19度のうち本塁打で16度記録。勝利打点付きのVアーチが16本は66年王(巨人)に並び2リーグ制後最多と、白星に直結した1発が多かった。殊勲3冠は18年柳田(ソフトバンク)以来になるが、この3部門すべて村上以上の数字を記録したのは2リーグ制後に63年野村(南海=安49・本28・点28)70年王(安37・本27・点20)05年松中(ソフトバンク=安44・本27・点23)しかいない。

村上は昨年の112打点から132打点へ増えたが、ヤクルトの得点は昨年の625点から596点へ減っている。今季の村上はチーム全得点の22.1%を1人でたたき出した。「個人打点÷チーム得点」を計算し、チーム得点に対する占有率を調べると、70年大杉(東映)の24.8%が最高で、22%以上は過去5人、6度あるが、その打者のチーム順位はすべて3位以下。得点の多い優勝チームでは06年ウッズ(中日)の21.5%を上回り、村上がトップだ。殊勲打も多い村上は、歴代優勝チームの中で最も優勝に貢献した打者と呼べるかもしれない。

村上は自身がホームを踏むケースも多く、今季はリーグ最多の110得点をマーク。こちらの占有率は18.5%。打点の占有率が22%以上で得点の占有率も18%以上は、プロ野球で59年桑田(大洋)と村上だけだ。村上が打点を挙げた試合は41勝16敗1分けで、得点した試合は48勝21敗3分け。今季のヤクルトは敵地で強かったが、これもビジターで打率3割7分、33本塁打、81打点を記録した村上のおかげだった。

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