今春リーグ首位打者の明大・宗山塁内野手(2年=広陵)が、3ラン2本を含む5打数5安打7打点と大暴れをみせた。17-4で早大に大勝。2連勝で勝ち点を2に伸ばした。慶大は、プロ志望届を提出した山本晃大外野手(4年=浦和学院)がフェンス直撃の適時二塁打を放ち、2-1で立大から1勝を挙げた。

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宗山のバットが、秋も止まらない。初回に先制犠飛を放つと、波に乗った。5回無死二、三塁で、145キロ直球を右翼スタンドへ運び3ラン。8回2死一、二塁では緩い116キロの変化球に対応し、大学通算6号となる右越え3ラン。5安打7打点は、いずれもリーグ1試合最多安打(6安打)と最多打点(8打点)にあと1に迫る数字。1試合5安打は自身初で「自分の前の打者が打ちやすいようにランナーがいる状況にして、つないでくれている」と仲間に感謝した。

中前打、三塁内野安打、右前打と、広角に打つ持ち味を発揮。ドラフト対象は2年後だが、NPBスカウトからは「今年のドラフトでも1位」の声が多数挙がる逸材だ。

先輩からパワーをもらった。25日、ドラフト2位でヤクルトに加入した丸山和が、リーグ優勝を決めるサヨナラ適時打を放った。「身近な存在だった選手がすごいプレーをしていて、刺激になった」。テレビ観戦した田中武宏監督(61)は「ベンチも(ヤクルトと)同じ一塁側で、今日は丸山が残してくれたいい気で勝てました」と喜んだ。

春から10試合連続安打中。通算54安打とし、通算最多安打記録の明大・高山俊(現阪神)の131安打更新も視野にとらえる。監督が「いい打者はボールを長く見る」と付きっきりで練習するティー打撃は、高山や丸山和も行ってきた伝統メニュー。「これからも、さらに1球の大切さを感じながらやりたい」と春秋連覇を見据えた。【保坂恭子】

▽明大・高山陽成投手(3番手で登板しラストシーズンに初勝利)「初勝利できてうれしいです。(2点適時打の)三塁打を打ったのは中学生以来です。たまたま当たりました」

▽早大・蛭間拓哉外野手(ドラフト候補の4番は今季16打席目に初安打)「チームに申し訳ない。昨日も援護できなかった。自分のことはどうでもいい。勝つために全力でやるしかない。冷静さがないです」