今季から捕手兼任コーチ補佐を務めるヤクルト嶋基宏(37)が28日、神宮で引退会見を開いた。今季は出場は1試合のみだが、練習中から大きな声を出し、内山壮ら若手捕手へ積極的に助言。チームの頭脳として連覇を支えた。ユニホーム姿で登場し「今シーズン限りで現役を引退することを決断しましたので、報告させていただきます。昨年優勝した後、契約更改でコーチ兼任でやらせていただくことになり、今年1年やったらという覚悟はできていました。そういう思いで臨んだ1年だったので。今シーズン、終わったら、そのタイミングだなと思っていました」と、16年間の現役生活にピリオドを打つ決意を口にした。

嶋は07年に国学院大から楽天に入団。野村克也監督(享年84)の指導の下、13年には球団創設初のリーグ制覇と日本一に貢献した。東日本大震災に被災した11年には、復興支援試合が行われた4月2日の日本ハム戦前に、「見せましょう、野球の底力を」とスピーチし復興の先頭に立った。13年からはプロ野球選手会長も務めるなど、リーダーシップを発揮した。

 

◆嶋基宏(しま・もとひろ)1984年(昭59)12月13日、岐阜県生まれ。中京大中京では3年春に甲子園出場。国学院大を経て06年大学生・社会人ドラフト3巡目で楽天に入団。新人の07年から主力に定着し、13年には球団初のリーグ優勝と日本一に貢献。10、13年にベストナインとゴールデングラブ賞。11、13年に田中将大と最優秀バッテリー賞。19年限りで楽天を退団し、20年からヤクルトでプレー。15年プレミア12日本代表。179センチ、84キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2000万円。