通算2185安打を誇るヤクルト内川聖一内野手(40)が28日、神宮球場で引退会見を開いた。横浜(現DeNA)、ソフトバンク、ヤクルトを渡り歩き、輝かしい実績を誇る男が、22年間の現役生活に別れを告げた。

グレーのスーツ姿で登場した内川は冒頭、「22年間お世話になりました日本プロ野球の選手として引退を決断しました。本当に長い期間プロという世界で野球ができたことを幸せに思いますし、本当にありがたい時間だったなと思います。本当にありがとうございました」とあいさつ。決断の理由については「ここ何年間かはずっと、そろそろかなと考えながら、やらせてもらったんですけど。自分はヒットを打つために一生懸命バッティングを作ってきましたけど、ここ最近の野球界は基本的にホームランを打つためのバッティングをしながらヒットを打つということにだんだん変化してきているんじゃないかなと。その変化に僕も対応しきれなくなってきたかなという気持ちがあったのも正直なところです」と明かした。

内川はヤクルト移籍2年目の今季、チーム内がコロナ禍に見舞われた7月12日に1軍昇格。6試合に出場し、14打数3安打、打率2割1分4厘だった。同21日に登録抹消されてからは、イースタン・リーグで出場を続けていたが、1軍昇格はなかった。

00年ドラフト1位で横浜(現DeNA)に、大分工からプロ入り。08年には、右打者では日本人選手のセ・リーグ記録を更新する打率3割7分8厘を記録。10年オフにFA権を行使してソフトバンクに移籍した。新天地1年目から打率3割3分8厘の成績を残し、リーグMVPを獲得。18年には史上51人目の通算2000安打に到達した。19年に退団し、21年から3球団目となるヤクルトへ加入した。

若手選手へ向けて「若い頃からこれ以上できないと思ってとことんやってきたつもりですけど、今思えばもう少し出来たと、後悔の方が先にくるんですよね。今の選手の姿も見てますし、なかなか今以上やれとはいえないですけど。後悔のないように頑張って欲しいと思います」と話した。

◆内川聖一(うちかわ・せいいち)1982年(昭57)8月4日、大分県生まれ。大分工では甲子園出場なし。00年ドラフト1位で横浜入団。08年に右打者最高打率で首位打者、最多安打、最高出塁率。10年オフにFAでソフトバンク入り。11年に史上2人目の両リーグ首位打者でパ・リーグMVP。20年限りでソフトバンクを退団し、21年からヤクルトでプレー。ベストナイン5度。ゴールデングラブ賞1度。09、13、17年WBC日本代表。184センチ、92キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸4000万円。