さらば「BIGBOSS」-。来季から登録名を「SHINJO」に変更する日本ハム新庄剛志監督(50)が、「BIGBOSS」のユニホームでは最後となる公式戦に臨んだ。先発の19歳左腕、根本が4回、西武中村に先制2ランを浴びたが、打線が5回、野村の2点適時打などで一挙4点。逆転劇で大好物の僅差のゲームを制した。

この日は、近藤と松本剛に采配を委ねた。「どういう野球をしてくれるかなって。1年間、僕がやってきた野球を、選手がしてくれるかなと思って」。一塁側の“監督席”を両者に譲り、ベンチの隅で戦況を見つめた。試合後はベンチ前で円陣をつくり、一本締め。「成績を残せなかった人は、人の3倍練習しなさい。来年は勝負だから」と、今季最後のゲキを飛ばした。

監督1年生として、全力投球の143試合だった。来季は、現役引退した06年以来の「SHINJO」としてファンの前に帰って来る。ユニホームを脱ぎ「『SHINJO』の方がしっくりくると思うよ。『BIGBOSS』着てると、なんか、背中が、かゆいもんね」。監督2年目へ。チームへの恩返しは、まだ道半ばだ。【中島宙恵】

○…先発した19歳左腕の根本は、5回4安打2失点で3勝目。4回、西武中村に先制2ランを浴びるも、直後の5回に味方が逆転。しかし、四球で先頭を出した5回は1死一、二塁から中前打を許し、本塁クロスプレーに。「(点は)取られていないけど、全然ダメ」と猛省。中堅を守る五十幡の好返球で失点を防ぎ「感謝です」と、最敬礼だった。

○…松本剛が初の首位打者に。右打者としては、パ・リーグでは11年ぶり、球団では史上初となった。「4番DH」で先発出場し、パでは86年落合(ロッテ)以来となる3割5分超えの右の首位打者こそ逃したが「僕が取れるとは全く思っていなかった。結果を残すと決めて1年間やり通した」と、充実の表情。新庄監督は「おめでとうっすよ。自信につながると思う」と目を細めた。

◆日本ハムの首位打者 前身、1リーグ時代も含め過去4人(のべ13度)。張本勲は67年から4年連続を含む計7度。47年に球団初のタイトルを獲得した大下弘が3度。小笠原道大が02、03年の2度。最新が07年の稲葉篤紀で、過去4人はすべて左打者。松本剛が球団の右打者で初のタイトル獲得となった。

 

【関連記事】日本ハムニュース一覧