亜大のドラフト候補、青山美夏人投手(4年=横浜隼人)が見事な復活投球を果たし、勝利した。

亜大はこれで勝ち点2とし、最下位がなくなった。

初回から、150キロの直球を制球良く投じた。4安打1失点で粘り強く完投勝利。この秋は開幕から調子が上がらず、ここまで1勝3敗。春6勝を挙げた最高殊勲選手は、ようやく手にした2勝目に、「今季はチームの足を引っ張ってばかり。今日は気持ちで投げました」と胸を張った。

この駒大戦で勝ち点を落とすと、最下位の危機に陥るところだった。生田勉監督(56)は選手たちに「今日はどんなことがあっても勝って、1部のバトンを後輩に渡そう」と話し、試合に臨んでいた。そこで奮起したのが青山。前週の中大戦では草加勝投手(3年=創志学園)が主戦として登板。青山は「草加に頼って苦しい思いをさせた。悔しさと、申し訳なさと…。今日は何とか自分で勝とうと思いました」と、エースの意地をのぞかせた。

この1週間は1日200球近く、納得がいくまで投げ込んだ。「少しずつ感覚が戻ってきた。きつい練習でも、楽して勝つほど甘くないと実感した」。原点に戻り、自分の投球を見つけた。生田監督は「青山はたたき上げの選手。それを思い出してくれた。これが春の青山。チームの大黒柱。彼を中心に頑張りたいと思います」と、温かく見つめた。

苦しさを乗り越え、青山は、たくましくなって戻ってきた。「ドラフトは考えていない。チームが勝つこと、それだけを考えています」。エースは頼もしかった。【保坂淑子】

【ドラフト候補全員!?会いに行きます】これがエースだ 亜大・青山美夏人、中1日先発でも「大丈夫」140球初完封、勝ち点1ゲット