村神様の王手弾ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージの第2戦で、CS初本塁打となる逆転2ランを放ち、チームを勝利に導いた。

1点を追う3回2死一塁、阪神藤浪から左翼席へ運んだ。史上最年少で3冠王を獲得した主砲の価値ある1発で、リーグ優勝のアドバンテージ1勝と合わせて3勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。

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降りしきる雨にも、村上は集中力を切らさなかった。3回2死一塁、阪神藤浪に対しフルカウントからの6球目、外角低め直球を捉えた打球が、逆風をものともせず虎党の陣取る左翼席に弾んだ。打球の行方をしっかり確認すると、バットを投げて手をたたき、右人さし指を立てて走りだした。「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて。低めの球でしたがしっかりと押し込めました。逆転することができて良かったです」と喜んだ。

レギュラーシーズン最終戦となった3日DeNA戦の最終打席で、日本選手最多となるシーズン56本塁打をマーク。「最後の打席でホームラン打てたというのは、自分でもびっくりしてます。最後のご褒美かなと思って素直に喜びたいと思います」と喜んだ。最後に得た好感触をポストシーズンにもつなげた。

今季阪神戦は24試合で打率2割6分、7本塁打、17打点と、いずれもセ・リーグ相手ではワーストの数字。藤浪にも今季4打数無安打、2三振と抑え込まれていたが、大舞台で勝負強さを見せた。1回2死一塁の第1打席では、カウント2-1となった場面で雨脚が強まり試合が中断した。寒さと雨の中でも集中を保ち、38分後に再開されると、見逃しと連続ボールできっちりと四球を選んだ。

12日の初戦では2打数無安打ながら2四球でチャンスメーク。シリーズ開幕前に「自分の状態が悪かったら切り替えが大事になってくる。チームのため、どれだけ踏み台になれるか、力になれるかを考えてやっていく」と話していた通り勝利に貢献した。2試合目は、自らのバットで走者をかえす本来の役目を果たした。本拠地お立ち台で、雨の中で最後まで応援をつづけたファンの声援に応えた。【鈴木正章】

▼村上が3回に逆転2ラン。昨年の日本シリーズで2本塁打を打っている村上だが、CSは出場5試合目で初アーチだ。公式戦で歴代2位の56本塁打しており、この1本を加えると今季は「57本」。ポストシーズンを含むシーズン本塁打ランキングは、13年に公式戦で60本のバレンティン(ヤクルト)が1位で、57本は85年バース(阪神)01年ローズ(近鉄)02年カブレラ(西武)に並び2位となった。今季の村上は公式戦で勝利打点付きのVアーチが2リーグ制後最多タイの16本記録したが、CS1号もチームを勝利に導くVアーチだった。

▽ヤクルト高津監督(村上の逆転2ランに) 彼のバットが扉をこじ開けた感じですかね。一振りで2点とったわけですから。ナイスバッティングだったと思います。

○…長岡がCS初本塁打を放った。1点リードで迎えた4回1死の第2打席、阪神西純の外角直球を右翼ポール際へ運んだ。「守備で迷惑を掛けてしまったので、取り返したい気持ちでした。2ボールだったので、ストレート一本に絞って思い切って打ちました」。2回の遊撃守備での失策を帳消しにするソロで、中押しした。

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