中日が19日、ドラフト1位で沖縄大・仲地礼亜投手(4年=嘉手納)を20日のドラフト会議で1位指名することを公表した。立浪和義監督(53)らは、東京都内のホテルでスカウト会議を開催。会議議後、就任後初のドラフト会議に臨む指揮官は「1位を公表します。沖縄の仲地投手」と、逆指名制度が撤廃された07年以降では、20年の7球団を上回り最多8球団目となる事前1位指名選手公表に踏み切った。

立浪監督は指名理由に、「真っすぐも速いし、コントロールもいい。体も強く、将来的にも長く中日を背負ってくれる投手」と、スカウト会議の総意で決めたことを説明。松永スカウト部部長も、「投げ方もいい。両サイドに投げ分けるコントロールも持っている。落ちる球を使え、右打者の内角にしっかり投げられるようになってきている。伸びしろ、総合力を含めて決めた」と補足した。

仲地は、最速151キロを誇る本格派右腕。沖縄大に進学後に変化球を磨き、チェンジアップをはじめ、カーブ、カットボール、スライダー、ツーシーム、スプリットの6種類を巧みに操る成長を見せた。嘉手納時代は甲子園に届かなかったが、大学3年春の全日本大学選手権では、1回戦敗退も、強豪名城大相手に8回1失点と好投し、全国区に躍り出た。沖縄県内の大学からドラフト指名は初。沖縄の本土復帰50年の節目に、右腕は歴史も刻む格好になった。

1位が競合した場合、中日は立浪監督がクジを引く。外れ1位として鷺宮製作所・小孫竜二投手(25=創価大)、富士大・金村尚真投手(4年=岡山学芸館)が有力だ。また2位にはセンターライン強化のテーマに沿う、俊足遊撃手の天理大・友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)、視察した明大村松開人内野手(4年)らの指名が濃厚。ドラフトでは最大7選手、育成でも最大4選手の獲得を検討している。